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Razerの定番ゲーミングマウス「DeathAdder」の新モデルが発売 - アークSTAFFファーストインプレッション&レビュー

オプティカルゲーミングマウスの中でも絶大な人気を誇るRazerの「DeathAdder」の新モデル「Razer DeathAdder Elite」が発売された。店頭スタッフによるファーストインプレッションと、別のスタッフによる、ゲームでのテストプレイやデータ検証を行った製品レビューも合わせてお届けする。

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公開日: 2016-12-23
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さらに進化したeスポーツマウスの決定版

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遂に発売されたRazer DeathAdder Eliteであるが、デザインは前モデルとなる「Razer DeathAdder 2015 Chroma」や「Razer Deathadder 2013」とほぼ変わらず、サイズ127mm (L) x 70mm (W) x 44mm (H)、重量105gと共に変更されていない。

外見上の主な変更点は、ボタン数が5ボタンから7ボタンと増えたため、スクロールホイール手前に2つのボタンが追加され、また、スクロールホイール自体もスパイク状の滑り止めが付いたものに変更されている。あとはマウスソールの形状(結構重要ポイントであるが)とロゴマークの位置くらいだろうか。

搭載されている7つのボタンは全てRazer Synapse上でプログラミングが可能となっている。同様にRazer Chroma™ ライティングもRazer Synapseでカラーや発光パターンなどを設定できる。

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内部は大幅な改良が加えられている。

センサーは最高解像度16,000 DPIのオプティカルセンサーを搭載。対スピード性能450IPS最大加速 50Gとなっており、最大加速は変わらないものの、対スピード性能は300IPS(DeathAdder 2015 Chroma)から450IPSへと引き上げられている。メーカー曰く、〝精度と速度の基準を塗り替えるために開発された〟とのこと。

メーカーページにはセンサーの名称等が記載されていないのだが、パッケージには〝5G OPTICAL SENSOR〟のステッカーが貼られている。公式動画でもしっかり〝5G OPTICAL MOUSE SENSOR〟と表記されていたので間違いないだろう。

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そして、DeathAdder Eliteの大きな注目点の一つして、完全新設計のRazer™ メカニカルマウススイッチが搭載されていることだ。

このRazer™ メカニカルマウススイッチは、オムロン社が設計に協力して生産されており、最速の反応速度と、最高5,000万クリックという耐久性を誇るゲーム用に最適化されたスイッチとなっている。

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近年では、約2年ごとに新モデルが発売されているDeathAdderだが、今回はやはり新開発のスイッチが大きなポイントとなりそうだ。

クリックの感触は実際に試してみないと判断は難しいと思われるが、当店スタッフによるファーストインプレッションと製品レビューも参考にしていただければと思う。

店頭スタッフ ファーストインプレッション「Razer DeathAdder Elite」-スタッフT編

見た目形状はそのままに、内部が進化した新たな「Deathadder」

Good!

  • 表面のほとんどはサラサラのプラスチック加工でべた付かず快適な感触。
  • 両サイドにラバーグリップがあるためホールド感は十分。
  • 過去のモデルより軽く感じる。(公表値的には変わっていない)
  • 新たに採用されたボタンスイッチが軽く、連打含めてクリックしやすくなった。
  • マウスソール形状が幅広いものへ変更となり、滑りやすくもコントロールもしやすい。
  • センターホイール手前に2ボタン追加されたことにより機能性が向上した。
  • 新型センサー搭載でマウス操作の追従性がスムーズになった。

Bad...

  • マウスソールの幅広化でマウス操作の抵抗感が増した。
  • ソール形状変更に伴い、交換用ソールが汎用品を使う以外選択肢がない。(2016年12月時点)
  • センターホイルにスパイクの様な突起が付き、指で触れた感触に違和感がある。
  • メインボタンが押しやすい反面、フレームと一体成型のため指の関節で圧迫しただけでスイッチングしてしまう。
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~アークSTAFFレビュー「Razer DeathAdder Elite」編~

「Razer DeathAdderElite」レビュー。e-sportsマウス「精英版」は買いなのか

海外ではおおよそ2ヶ月前に販売が開始され、日本では2016年12月9日に情報解禁されたRazerのマウス「DeathadderElite」をレビューしたいと思う。

初期のDeathAdderが販売され早10年、様々なメーカーが形状を変更している中、変わらずほぼ同じ形状で、内部のセンサー等、Razerによる独自アップグレードで今日のe-sportsシーンのゲーミングデバイスの一線で活躍している新しいマウスとは、どれほどの完成度なのか確認したいと思う。

〇外箱

かなりかっこいい箱である。

外箱の説明がとてもシンプルで、おしゃれだ。最近のe-sports向けとされているマウスの外箱も何も書いていないことが多いので、最近の流行りなのだろうか。

中の付属品はケーブルをまとめるラバーバンドとUSBのキャップが付いており、それ以外はRazerロゴマークのシールと簡易マニュアルのみである。

ちなみに私は、Razerのシールは光沢等の無い緑色のロゴマークの方が好みなので、この部分はぜひ以前の緑色に変更してほしいと思う。

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〇形状

本来であればここで形状の説明などが入るのだが、形状がホイールのラバー部分とホイール下のボタン追加等しかないので、全体形状の詳しい説明は省略したいと思う。

まず最初にホイール部分の変更だが、ラバー部分が細かい突起に変更されてる。これによりホイールの1カウントが少しわかりやすくなっている。

ホイールの動き等は前回のchromeと変わらない動きなのだが、この突起のお陰かホイール部分の形状変更により気持ち操作感が少し変わっていると私は感じた。

次にホイール下のボタンだが、Razerのデバイスはすべてのボタンがマクロキーとして変更できると以前宣伝していた記憶があり、このボタンをプロファイル変更のボタンに変更し、プロファイルを複数作成し擬似的に多ボタンマウスとしても利用しようと思っていたのだが、Synapse上で確認したところプロファイル変更の項目が割り当てられないようになっていた。多分上位の多ボタンマウスとの差別化か、そもそもマウスでのプロファイル変更が出来ない可能性がある。もしかするとRazer側でそういった使用は想定されていない可能性がある。

なおUSBのコネクタ部分は緑色になっている。最近のRazerのマウスはUSBコネクタが緑色に変更していることが多いのでやはりRazerのイメージカラーは緑色なのだろう。

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〇ソール

次に大きな変更点として裏面のソール部分の大型化がある。

これにより滑走時の安定感が増したのだが、大幅に変更されているため以前までのソールが流用できないと言うことは今現在(2016/12/09)にて換えの純正ソールが入手出来ないということである。

私のような布製のマウスパッドを使用していても早ければ二週間で滑りが変わってしまうのにハードタイプのマウスパッドユーザーであれば尚更ソールの消費が気になってしまうのではないのだろうか。

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〇内部(名称は公式ページから引用)

内部の変更点としては、「Razer Mechanical Mouse Switch」なるクリック部分の変更と「Razer 5G Optical Sensor」なるセンサー部分の変更である。

クリック部分は、私個人はとても気に入ってるのだがスタッフ間でも賛否が分かれる位、好みが分かれてしまう変更であるといえる。chromaの時は少し固めのクリック感でクリック時に高い音が鳴っていたのだが今回のクリックは全くの真逆である。クリックは柔らかくなり音は低くなっている。

センサーの変更点はPWM3389への変更である。 おそらく3360/3366のRazer仕様のセンサーかと思われるが確実な情報がないため、確証が得られない。 ただ、他の3360/3366のマウスと比べるとニュアンスは似ているような気がする。一つの目安として参考にしてほしい。

なおMCUは2013/chromaで採用されていたMC9S08JM32からLPC11U35Fに変更されている。MCU自体が純粋にスペックアップしているため、内部ファームウェアが改良され最大DPIが16000DPIであったり最大トラッキング速度が450IPSまでスペックアップしていると思われる。

因みにDPIは100刻みで変更できるが一応1単位でも表記上は変更することが出来た。ただ十の位から下は四捨五入されるため実際の刻みは100なので注意してほしい。

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以上が大まかな仕様変更である。しかし幾らスペックシートを追ったところで一番大事なのは実際の使用感なので実際に30時間程度ゲームで使用してみた。

主にプレイしたゲーム

  • Counter Strike:GlobalOffensive
  • Overwatch
  • Reflex
  • H1Z1 king of the kill
  • Hearthstone

私個人の体感の話になるが、長時間ずっとマウスを使ってゲームをプレイしていると人差し指が疲れてしまい途中で休憩を挟むのだが、マウスのクリックが軽いおかげで長い間休憩を挟まずにゲームをプレイしてしまい目が乾燥しきってしまった。

ただ軽いからと言ってクリック感が全く無い事はなく、一発ずつ撃ったりするシーンの際はしっかりとクリックしている感覚があった。しかもクリックの反応速度がchromaと比べても速くなった気がする。マウスの操作感は従来のDeathAdderとあまり変わりはなく、むしろクリックやソールの変更で今までのDeathadderに比べて快適にプレイはできた。さすがEliteと銘打ってるだけはあるのかもしれない。

ただやはりRazerセンサーのニュアンスが照準を動かす際、少し宙に浮いた感じなのと、マウス操作時にポーリングレートが高いと高速域で少し微加速が入った感じに感じた。

しかし、”そのような気がする”と言ったレビューでは只のオカルトになってしまうので少しだけ計測してみた。


テスト方法

マウスを10回程度高速でマウスパッド上で振りポーリングレートごとに測定した。

GTF-Xでのセンサー測定

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400dpi 125Hz
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400dpi 500Hz
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400dpi 1000Hz
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800dpi 125Hz
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800dpi 500Hz
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800dpi 1000Hz

この表から読み取ってみると、1000Hz動作でマウスを振ると若干ポイントが飛んでいる。ただ500Hz、125Hzと下がるにつれ安定している。ただこの数値は環境依存な部分もあるので私の環境では500Hzで使うのが安定しているのかもしれない。なお高DPIになるにつれて少しずつセンサーの追従性が落ちている。

しかしこれは愛用しているGTF-Xでの数値なのでRazer製のRazer Goliathus Speedで確認してみようと思う。

Goliathus Speedでのセンサー測定

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400dpi 125Hz
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400dpi 500Hz
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400dpi 1000Hz

酷すぎる、の一言に尽きる。やはりマウスパッドは柄がどうしても致命的になるようだ。

ただ北米で同時販売されたRazer Gigantusは無地なので、この様な環境で使用するのがベストと予想される。ぜひ国内販売された場合は試してみたい所だ。

次に表面識別較正を有効化をした後GTF-XとGoliathus Speedでもう一度計測してみた

表面識別較正を有効化しての測定

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GTF-X 400dpi 125Hz
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GTF-X 400dpi 500Hz
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GTF-X 400dpi 1000Hz
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Goliathus Speed 400dpi 125Hz
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Goliathus Speed 400dpi 500Hz
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Goliathus Speed 400dpi 1000Hz

すごくすごいとおもいます。

本当に最大トラッキング速度が450IPSに対応しているのか怪しいところだ。

この機能は以前から、使い物にならなかったのでマウスパッドを使わない層に向けた機能だと私は思いたい。 GTF-Xでの計測では他社の製品なので仕方ない部分はあるが、Goliathus Speedは自社マウスパッドの「Razerパッド」の項目から選択できるのであれば正直もう少し完成度を高めてほしい。ちなみに一覧にはRazer Gigantusの項目は存在していなかった。


次にクリックの反応速度を比較してみた。比較対象はDeathAdder chromaのOverwatchモデルである。

(左側のクリックと右側のクリックをぶつけてどちらの方が早いか測定する方法)

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A側がEliteの左クリック
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B側がEliteの右クリック

簡易的な測定だが、やはりマウスの応答速度も以前のモデルより速くなっていた。

各社がギリギリまでクリックの応答速度を落としている中、DeathadderEliteは前回のモデルよりもクリック速度が速くなっているところは、かなり評価が高いと言える。

しかし過去にファームウェアアップデートの際Deathadder3500でクリックの応答速度を変更していた例もあるため、この仕様が良い方向にも悪い方向にも、ずっと続くわけでは無い可能性があるため注意したい。

また、マウスのクリックも経年劣化があるため、クリックのチャタリング対策に応答速度を下げると解決するので長い間使用する場合は一概に悪いとは言えない、と言うことも追記しておく。

ただ、このマウスは”e-sportsグレード”として宣伝されているため、そういう事は本当に”e-sportsグレード”のマウスであれば下げることはあっても上げることは無いはずだ。


〇総評

一部やはりRazerらしいお粗末な点はあるが、10年間変わらない形状は勿論、その他の内部の完成度の高さは他のマウスと比べると高水準なのではないかと思う。今Deathadderシリーズを使っているユーザーは勿論、形状が嫌いで無ければ乗り換えるのを個人的には強くおすすめしたい。

しかしDeathadderシリーズはモデルチェンジのたびにセンサーが変わってしまう為、Deathadderシリーズからの乗り換えでも多少の慣れは必要だが、センサーへの〝慣れ〟であるため、すぐに慣れると私は思う。

デメリットというデメリットも、普通に使うだけであれば特に気にするような部分は少なく、個人的に純正ソール等が出てくれるのであればもう少し使用しようかと悩むくらいの出来だと感じた。

ぜひDeathadderを使用しているユーザーは乗り換えを検討してほしい。


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店頭スタッフM君

レビュースタッフ紹介

・よくプレイしているゲーム

  • Counter Strike:GlobalOffensive
  • Overwatch
  • Reflex(時々)
  • H1Z1 king of the kill
  • Hearthstone

元々多趣味で中学生の頃から色々な趣味に没頭しましたが最近は結局PCゲームに落ち着いてしまいました。 どの趣味もデバイスや道具というモノが存在しており、初心者でもしっかりとした物を選べば 楽しむことが出来るという経験を大切にしています。

マウスのスペックを調べたりデータを無知ながら計測したりするのも好きです。

レビューの際は感覚とデータを交えながら紹介できれば良いなと思っていますので、よろしくお願いします。

・メインデバイス

  • マウス: Zowie ZA12
  • キーボード:Corsair K65 RGB RAPIDFIRE
  • サウンド:Kingston HyperX Cloud + HD598SE
  • マウスパッド:Zowie GTF-X

店頭スタッフM君も度々登場している、アークスタッフの日常を描いた

「Arkな日々」はこちら↓

製品仕様

製品名 Razer DeathAdder Elite
メーカー Razer
型番 RZ01-02010100-R3A1
発売日 2016年12月23日
センサー 16,000 DPI オプティカルセンサー
対スピード性能 450IPS
加速度 50G
スイッチ Razer メカニカルマウススイッチ
形状 ラバー製のサイドグリップを備えた右利き用エルゴノミック・デザイン
スクロールホイール ゲーミンググレードのタクタイル・スクロールホイール
ボタン 個別プログラミング可能な7つのHyperesponseボタン
LED 1,680万色のカラーオプションを備えた Razer Chroma. ライティング
ソフトウェア Razer Synapse 対応
ポーリングレート 1000Hz Ultrapolling
接続 USB
ケーブル 約2.1メートルの軽量編組ファイバーケーブル
サイズ 127mm (長さ) x 70mm (幅) x 44mm (高さ)
重量 105g
保証期間 2年間
新しいeスポーツグレードのオプティカルセンサーを搭載したNew DeathAdder
取扱終了
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