インテル200シリーズチップセット比較、まとめ - KabyLake対応LGA1151マザーボード特集
2017年が明けて間もない1月初頭、intel第7世代CPU「Kaby Lake」が発表・発売された。また、それに合わせて対応チップセットを搭載したマザーボードも登場した。そこで早速、Kaby Lake対応の LGA1151チップセット、その主力の「Z270」「H270」「B250」の違いをまとめておこう。これから自作を始める初心者の方にも分かりやすいように、購入時に必須な知識を中心にまとめてみた。
CPUは第6世代「SkyLake」から第7世代「KabyLake」へ
チップセットの話に入る前に、CPUは「SkyLake」から「KabyLake」へどこが進化したのか、簡単にチェックしていこう。
- TDPはそのままにベースクロックをアップ
- メモリはDDR4-2133からDDR4-2400まで対応に
- 内蔵映像機能を強化
- 4Kなどの超高画質動画への対応強化
- HDR(High Dynamic Range)をサポート
- オーバークロック耐性の強化(電源回り)
総評としては、これといって大きな変化はなく、第6世代「SkyLake」の改良版といったところ。
しかし、i3シリーズにおいてはラインナップ・機能に以下の変更があった。
- 末尾に「E」が付いたモデル以外はECC非対応へ
- 倍率フリーの「K」付きモデルが登場
i3の「K」付きモデルの登場によって今後、更に気軽にオーバークロックを楽しめるようになった。
ソケットは「LGA1151」のまま変わらず。前シリーズとの互換性は?
続いてチップセットの変更点をチェックしていこう。
KabyLake対応ソケット「200シリーズ」は、前「100シリーズ」から変更はなく「LGA1151」だ。
Z170 や H170 などの「100シリーズ」チップセット搭載マザーボードは、BIOS(UEFI)のアップデートによってKabyLakeに対応可能となる。(詳細は各マザーボードの製品ページを確認していただきたい。)
ここで気になるのは、 ならば「100シリーズ」と「200シリーズ」の違いはどこなのか だが、主に以下の2点があげられる。
- PCI Express レーン数がそれぞれ「4」増加
- intel高速ストレージ技術「Intel Optane Technology(Optane)」に対応
- メモリレーンが改良され「100シリーズ」より更に、高クロックかつ安定的にメモリ動作がしやすくなった。
Windows10のみに
昨年より米Microsoftは、『今後発売されるCPUはWindows10のみのサポート』と発表している。
ドライバに関しては、マザーボードメーカーによって7や8.1にも対応ドライバが出される可能性も残されるが、通常使いのPCであれば大人しくWindows10を入れるのが良さそうだ。
Windows対応表 | Win10 | Win8.1 | Win7 |
---|---|---|---|
SkyLaket + 100シリーズ | 64bit/32bit | 64bit/32bit | 64bit/32bit |
SkyLake + 200シリーズ | 64bit/32bit | 64bit/32bit | 64bit/32bit |
KabyLake + 100シリーズ | 64bit | × | × |
KabyLake + 200シリーズ | 64bit | × | × |
200シリーズLGA1151チップセット性能早見表
種類 | Z270 | H270 | B250 |
---|---|---|---|
分類 | パフォーマンス | メインストリーム | カンパニー |
システムバス | 8GT/s | 8GT/s | 8GT/s |
オーバークロック | ○ | × | × |
1チャネルあたりのDIMM数 ※1 | 2 | 2 | 2 |
最大搭載メモリスロット | 4 | 4 | 4 |
最大搭載メモリ容量 | 64GB | 64GB | 64GB |
サポートディスプレイ数 | 3 | 3 | 3 |
PCIExpress世代 | 3 | 3 | 3 |
PCIExpress最大レーン数 | 24 | 20 | 12 |
PCIExpressポートの構成 | 1x16、2x8、1x8+2x4 | 1x16 | 1x16 |
USBポート数 | 14 | 14 | 12 |
USB3.0(最大) | 10 | 8 | 6 |
USB2.0(最大) | 14 | 14 | 12 |
SATAⅢ最大ポート数 | 6 | 6 | 6 |
I®RST対応 PCIe接続ストレージ数 ※2 | 3 | 2 | 1 |
RAID構成 | 0/1/5/10 | 0/1/5/10 | × |
I®SRT ※3 | ○ | × | × |
※1 intel 200シリーズはメモリーチャンネルは2つ
※2 インテル®ラピッド・ストレージ・テクノロジー
※3 インテル®スマート・レスポンス・テクノロジー
「B150」や「H170」に付いていた「インテル®スモール・ビジネス・アドバンテージ」は開発・サービスを終了。
マザーボードの性能はチップセットのみに依存するのではなく、各メーカーが機能の拡張・強化を行っていることが多い。それぞれの製品に欲しい機能が付加されているかのチェックも必要だ。
早見表の用語解説
システムバス
- CPUとチップセットとの間の道路の様なもの。数値が大きいほどデータの転送速度が速い。
オーバークロック(OC)
- CPUやメモリ等のクロック(周波数)を引き上げることで性能を高める事。
PCI Express
- 拡張インタフェースの一種。束ねて使う事が多く、16本使う時は「PCI Express×16」等と表記する。
- 道路の車線数と交通量に例えると分りやすい。Z270の場合使用できる車線数は24本、1本道路より多くの交通量を流すことが可能だ。
PCIExpressポートの構成
- 例えばZ270の場合、「×16」のGPUを2枚差した場合「×8+×8」で動作させる事が可能。とういう事。
RAID
- 複数台のストレージ(SSDやHDD)を組み合わせることで、仮想の1台のストレージを構築。それによりストレージの速度や信頼性の向上を可能にする技術。
- 「1」「0」などの数字はRAIDの種類
インテル®ラピッド・ストレージ・テクノロジー
- インテル提供のRAIDを構築する機能
インテル® スマート・レスポンス・テクノロジー(ISRT)
- SSDをHDDのキャッシュとして使用できるようになる機能
「ふむふむ・・・わからん!」という人向け【こんな使用用途ならこのチップセット】
Z270
- オーバークロックを楽しみたい
- GPUを2枚以上挿したい
- GPU+PCIeストレージ×2 でそれぞれ最大限の性能を発揮させたい
- 「あっとりあえずハイ(High)で」
H270
- 細かいことは決めてないが、「オーバークロック」と「GPU2枚挿し」をやらない事は確定している
- 性能に妥協しないでコスパがいいモノが欲しい
B250
- GPUは挿さないから、低価格でストレージが早い最新の製品が欲しい