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ついにPCも名刺サイズに、ドックと組み合わせて使うカードPC「インテル® Compute Card」

インテルからクレジットカードよりほんの少し大きい95x55x5mmサイズの超コンパクトPC「インテル® Compute Card」と専用ドック「COMPUTE CARD DOCK DK132EPJ」が秋葉原のPCショップに入荷、2018年1月17日(水)より販売を開始する。 ガムのパッケージ程度の超小型スティック型コンピューターで注目を浴びたインテル® Compute Stickシリーズに続く超小型コンピューターとして注目の新製品。

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公開日: 2018-01-16 (更新 2018-01-28)
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ポケットサイズのカードとドックを組み合わせて使う新しいコンセプトのコンパクトPCがインテルから

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インテルからCeleronやCore Mプロセッサーを搭載したカード型PC「インテル® Compute Card」シリーズと、専用ドッキングベイ「COMPUTE CARD DOCK DK132EPJ」がいよいよアキバのPCショップに入荷、2018年1月17日(水)より国内でも販売を開始する。

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販売を確認したのは、「インテル® Compute Card」シリーズから2コア4スレッドTB時2.6GHzのCore m3-7Y30(KabyLake)とDDR3L 4GBメモリー、128GB eMMCストレージを搭載した「CD1M3128MK」、4コア4スレッドTB時2.2GHzのCeleron N3450(ApolloLAke)搭載でDDR3L 4GBメモリ―、64GB eMMMCストレージを搭載した「CD1C64GK」の2モデル。

とにかく小さくて薄い「インテルCompute Card」

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「インテル Compute Card」シリーズの本体サイズは長さ95mm、幅55mm(一般的なクレジットカードは85.6mm x 53.98mm x 0.76mm)と、ほぼクレジットカードサイズ(やや大きいが)といってもいい超コンパクトなサイズにインテルプロセッサーシステムを詰め込んだ新しいコンセプトのPCプラットフォーム。

また、厚みも5mmにとどめており、ポケットなどにもすっぽりと収まってしまう。 昨年ブレイクしたインテルのCompute Stickがに続く超小型PCシリーズだが今回は「薄さ」を重視している。

しかし単体では動作せず、OSも別売

「インテル® Compute Card」シリーズ専用のドッキングベイ「COMPUTE CARD DOCK DK132EPJ」も同時に登場しているが実はこれは単なるオプションではない。

というのも実は「インテルCompute Card」シリーズは単体では基本、動作させることが出来ない。

主な仕様としては

  • バッテリーなどの動力が非搭載、外部からの供給が必要
  • 発熱が高く負荷や使用場所の温度によっては外部強制冷却が必要

の2点を挙げてみたが、そもそも同時に登場した「COMPUTE CARD DOCK DK132EPJ」、もしくはこれから登場すると思われるパートナー企業の対応ドックなどと併せて使用するよう設計された製品であることを知っておきたい。

OSも別買

また、CompuStickとは異なり基本的にOS(Windows10)が製品には付属しておらず、別途必要となるのでその点も留意したい。

インテル® Compute Cardシリーズシリーズスペック比較

通常小売用のラインアップとしては「搭載プロセッサー」と「ストレージ容量」が異なる組み合わせ3モデルが用意されている(OEM用のCore m5モデルを含めると4モデル)

また、国内での販売開始時点では中間モデルのPentium N4200は含まれていなかったがスペック比較の為、以下の表には記載してみた。

メーカー インテル
シリーズ インテル® Compute Cardシリーズ
型番 CD1C64GK CD1P64GK CD1M3128MK
カラー化粧箱 カラー化粧箱 カラー化粧箱
開発コード名
搭載OS 非搭載 非搭載 非搭載
搭載プロセッサ Celeron N3450 Pentium N4200 Core m3-7Y30
プロセッサコード名 Apollo Lake Apollo Lake KabyLake
動作速度 1.1GHz/TB 2.2GHz 1.1GHz/TB 2.5GHz 1.0GHz/TB 2.6GHz
コア / スレッド 4コア / 4スレッド 4コア / 4スレッド 2コア / 4スレッド
キャッシュ 2MB L2 2MB L2 4MB SmartCache
SDP 4W 4W -
TDP 6W 6W 4.5W(3.75~7W)
搭載メモリ DDR3L-1866MHz 4GB(2GBx2) DDR3L-1866MHz 4GB(2GBx2) DDR3L-1866MHz 4GB(2GBx2)
搭載ストレージ 64GB eMMC 64GB eMMC 128GB eMMC
グラフィックス機能 Intel HD500 Intel HD505 Intel HD615
グラフィックス出力 DP1.2 x1 HDMI1.4b x1 DP1.2 x1 HDMI1.4b x1 DP1.2 x1 HDMI1.4b x1
サウンド機能 HD AUDIO(HDMI/DisplayPort経由) HD AUDIO(HDMI/DisplayPort経由) HD AUDIO(HDMI/DisplayPort経由)
ネットワーク(Wireless) AC7265 + BT4.2 AC7265 + BT4.2 AC8265 + BT4.2
本体サイズ 55(W)x94.5(L)x5(H)mm 55(W)x94.5(L)x5(H)mm 55(W)x94.5(L)x5(H)mm
本体重量 g g g
Intel vPRO × × ×
PTT/TPM 1.00 1.00 1.00
リモート・ウェイク・テクノロジー
トラステッド・エグゼキューション・テクノロジー × × ×
対応OS Windows 10 (64bit) Windows 10 (64bit) Windows 10 (64bit)
保証期間 3年間 3年間 3年間
国内発売日 2018年1月17日 2017年1月17日
「Compute Card」はクレジットカードよりほんの少し大きい 95 x 55 x 5 mm のサイズにCPU、メインメモリ、ストレージ、グラフィックス機能や無線通信機能といったパソコンとしての基本環境が搭載されています。ComputeCardスロットを備える対応機器に装着することで、デスクトップパソコンのように使用したり、家電製品にパソコンの機能を追加させたりといった使い方が可能です。
取扱終了
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「Compute Card」はクレジットカードよりほんの少し大きい 95 x 55 x 5 mm のサイズにCPU、メインメモリ、ストレージ、グラフィックス機能や無線通信機能といったパソコンとしての基本環境が搭載されています。ComputeCardスロットを備える対応機器に装着することで、デスクトップパソコンのように使用したり、家電製品にパソコンの機能を追加させたりといった使い方が可能です。
取扱終了
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必須となる「COMPUTE CARDドッグ」

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今回使用するにあたって現状必須となるCOMPUTE CARDドッグ「DK132EPJ」。

夢のカード型PCと聞いて心を躍らせたユーザーにとっては残念な仕様となるが、スタンドアローン動作が出来ない「インテル® Compute Card」は電源供給、各種外部機器との接続、そして冷却などに、とりあえずはこのドックが必要となる。

ドッグのスペックは以下の通り。

型番 BLKDK132EPJR
メーカー intel(インテル)
対応デバイス インテル Compute Cardシリーズ
グラフィックス出力機能 Mini-DisplayPort 1.2 x1
HDMI 1.4b x1|
インターフェース Compute Card スロット (フロント)
USB USB3.0 Type-A (フロント) x1
USB3.0Type-A (リア) x1
ネットワーク機能 Gigabit LAN (RJ45) ポート (intel I211AT) x1
搭載電源 付属ACアダプター (DC Power 19V, 65 Watt) x1
本体サイズ 145(W)mm x151.76(L)mm x20.5(H)mm
「インテル Compute Card」用のドッキングベイです。別売りの「Compute Card」を装着することでデスクトップパソコンの様に使用することができます。
取扱終了
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未来を感じる試み、ただし使い勝手はこれからのアイディア、パートナー企業の対応製品次第か。

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メーカー名 プロダクト
SHARP デジタル・サイネージ
LG ディスプレイ、スマートモニター
Seneca ミニ PC
Contec 産業用コンピューティング
NexDock 2 in 1
TabletKiosk 医療用タブレット
Smart Tech 教育用ノートブック PC、インタラクティブ・ホワイトボード
Foxconn Mini PC、一体型 PC
ECS 一体型 PC
Lehui スマートモニター
Mo-BitS Electronics タブレット

以下のパートナー企業も開発に取り組んでいるが製品サンプルはまだ未公開。

Lenovo、Dell、HP、Pasuntech

クレジットカードクラスのサイズ感で厚さ5mmのPCと聞けば誰もが近未来がとうとう現実になったと心躍ると思われるが、実際はドックありきの製品という事で購入ボタンから遠ざかったユーザーも多いと思われる本製品。

実用的な話で言ってしまえばサイズ感だけであればスティック型コンピューターで注目を浴びた「インテルCompute Stick」シリーズのほうが高いと言わざるを得ない。

しかし、このサイズ感とスペックというだけでも十分に未来を感じる事が出来るし、現在名乗りを上げているパートナー企業から続々と発売されるであろうドッキングユニット側の出来栄えによっては大化けする製品かもしれない。

なにより触れて試して持ち歩いてみたくなる、そんな製品ではないだろうか。


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ライター

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編集部 アーク石井

パソコンSHOPアークにてPC用メモリーバイヤー兼、管理職も勤める。 スキーとギターをこよなく愛す。アキバ歴23年を活かしたショップ視点でのメモリー関連の記事を主に担当している。