
インテル100シリーズチップセット比較、まとめ - Skylake対応LGA1151マザーボード特集
intel第6世代CPU「skylake」が発売され早5ヶ月。発売当初は少なかった対応チップセットのラインナップも充実してきた。逆を言えば、選択肢が増えたことで「選択の手間」も増えたという、自作er感涙の問題も起こってきた。世界最大の家電見本市「CES 2016」も終わり、新製品発表もひと段落しただろうと思われるこの時期に、LGA1151対応チップセット…その主力である「Z170」「H170」「B150」「H110」の特徴と違いをまとめておこう。一般的な購入時に必要な要素は詰めたつもりだが、細かい仕様等の全てを網羅している訳ではないので、そこを理解した上で一読してみて欲しい。
CPUは「Broadwell」から「Skylake」へ

チップセットの話に入る前に、CPU側は第5世代「Broadwell」から第6世代「Skylake」へどこが変わったのか、主な違いをおさらいしておこう。
- メモリはDDR4/DDR3Lに対応
- オーバークロックの対応強化(ベースクロックを1MHz単位で変更可能)
- 内蔵GPUは第9世代目にグレードアップ
- 「LGA1151」に対応ソケットが刷新
その他、電圧制御の内外移動など細かい変更もあるが実使用において知っておきたい事はこれくらいである。
ソケットの規格(ピン数)が変更になりintel 9シリーズプラットフォームとの互換性がなくなった点をまずおさえておきたい。
ソケットは「LGA1150」から「LGA1151」へ

Skylake対応チップセット「LGA1151」と前代「LGA1150」では、フラッグシップクラスの「Z170」「Z97」を例にとって比較してみると、以下のような変更点が挙げられる。
- Z97 → Z170
- PCIExpressは ×8Gen2 → ×20Gen3 へ
- USB3.0が最大6 → 10ポートへ
- ISRTのPCIExpressストレージは PICe×2を1つ →PCIe×4を3つ まで拡張
メモリーはDDR4 or DDR3Lに対応
intel100シリーズはDDR4とDDR3Lに対応、ただし併用は出来ないので通常はDDR4かDDR3Lのどちらかのスロットが実装されている。
つまり使いたいメモリーがある場合は、そのメモリースロットが搭載されているマザーボードを探す必要があるという事になるので覚えておきたい。
一部で両方搭載している変態仕様のマザーボードもありますが、その場合は排他的使用(DDR4 or DDR3Lのどちらかを決めて使う形)となります。
またマザーボードによりメモリのソケットタイプが異なるので購入するマザーボードに合わせてメモリーを選ぶのが間違いない。
- intel 100シリーズが採用するメモリー規格比較表
モジュールタイプ | DDR4 Long-DIMM | DDR4 SO-DIMM | DDR3L Long-DIMM | DDR3L S.O-DIMM |
---|---|---|---|---|
ピン数 | 288Pin | 260Pin | 240Pin | 204Pin |
電圧 | 1.2Volt | 1.2Volt | 1.35Volt | 1.35Volt |
速度(定格) | DDR4-2133 | DDR4-2133 | DDR3L-1600/1866 | DDR3L-1600/1866 |
容量(モジュール単位) | 一枚辺り最大16GB | 一枚辺り最大16GB | 一枚辺り最大16GB | 一枚辺り最大16GB |
Registered | 非対応 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
ECC | 非対応 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
備考 | デスクトップ向け | ノート or MiniPC向け | デスクトップ向け | ノート or MiniPC向け |
LGA1151チップセット性能早見表

種類 | Z170 | H170 | B150 | H110 |
---|---|---|---|---|
分類 | パフォーマンス | メインストリーム | ビジネス | エントリー |
コンセプト | パフォーマンス | パフォーマンス | セキュリティと生産性 | ローコスト |
システムバス | 8GT/s | 8GT/s | 8GT/s | 5GT/s |
オーバークロック | ○ | × | × | × |
1チャネルあたりの DIMM数 ※1 | 2 | 2 | 2 | 1 |
最大搭載メモリスロット | 4 | 4 | 4 | 2 |
最大搭載メモリ容量 | 64GB | 64GB | 64GB | 32GB |
サポートディスプレイ数 | 3 | 3 | 3 | 2 |
PCIExpress世代 | 3 | 3 | 3 | 2 |
PCIExpress最大レーン数 | 20 | 16 | 8 | 6 |
PCIExpressポートの構成 | 1x16、2x8、1x8+2x4 | 1x16 | 1x16 | 1x16 |
USBポート数 | 14 | 14 | 12 | 10 |
USB3.0(最大) | 10 | 8 | 6 | 4 |
USB2.0(最大) | 14 | 14 | 12 | 10 |
SATAⅢ最大ポート数 | 6 | 6 | 6 | 4 |
RAID構成 | 0/1/5/10 | 0/1/5/10 | × | × |
インテル®SRT ※2 | ○ | ○ | × | × |
インテル®SBA ※3 | × | ○ | ○ | × |
※1 intel 100シリーズはメモリーチャンネルは2つ
※2 インテル®スマート・レスポンス・テクノロジー
※3 インテル®スモール・ビジネス・アドバンテージ
「H110」はSkylakeながらもPCI Expressが2世代目(Gen2)という点には注意が必要だ。
勿論、マザーボードの性能はこのチップセットだけに依存するものではなく、各社メーカーはサードパーティ製のチップを載せたり、機能の拡張を行っていたりもする。各マザーボードごとにチェックは必要だ。
早見表の用語解説
システムバス
- CPUとチップセットとの間の道路の様なもの。
オーバークロック(OC)
- CPUやメモリ等のクロック(周波数)を引き上げることで性能を高める事。
PCI Express
- 拡張インタフェースの一種。束ねて使う事が多く、16本使う時は「×16」等と表記する。
- 道路の車線数と交通量に例えると分りやすい。Z170の場合使用できる車線数は20本、1本道路より多くの交通量を流すことが可能だ。
- Gen2(第2世代)は×1が片方向500Mb/s
- Gen3(第3世代)は×1が片方向1.0Gb/s
PCIExpressポートの構成
- Z170の場合、例えば「×16」のGPUを2枚差した場合「×8+×8」で動作させる事が可能。とういう事。
RAID
- 複数台のストレージ(SSDやHDD)を組み合わせることで、仮想の1台のストレージを構築。それによりストレージの速度や信頼性の向上を可能にする。
- 「1」「0」などの数字はRAIDの種類
インテル® スマート・レスポンス・テクノロジー(ISRT)
- SSDをHDDのキャッシュとして使用できるようになる技術
インテル® スモール・ビジネス・アドバンテージ(SBA)
- サーバーを建てなくともPCが独自で簡易的にセキュリティの強化保守を行う機能。
- ソフトウェア・モニター / データのバックアップ / USBポートブロッカー / 定時タスク 等
「なるほど…分からん」という人向け【こんな使用用途ならこのチップセット】
Z170
- オーバークロックをしたい
- GPUを2枚以上挿したい
- GPU+M.2 SSD でそれぞれの性能を最大限使いたい
- とにかく高性能が好き。そこに痺れる憧れるぅ
H170
- オーバークロックとかはしないし、値段を抑えて充実した機能が欲しい
B150
- ビジネス用途だし、低価格がいい
- インテルSBAが低価格で欲しい
H110
- とにかく最新のCPUを使ってみたい
- 低価格で組んでみたい


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