東プレから「REALFORCE MOUSE」遂に登場
独自の静電容量無接点方式を採用しているキーボードでお馴染み東プレの『RealForce』からマウスが2020年3月19日に発売された。
業務用高級ブランドのキーボードとして名を馳せている東プレだが、その打感の良さからゲーマーにも一定の支持を得ている。その技術を用いて制作されたマウスは果たしてどうなるのか期待が膨らむ。
「静電容量無接点スイッチ」を搭載したREALFORCEブランド初のマウス
東プレRealForceキーボードにおいて「フェザータッチ」と表現される、19年間という長い実績のあるスイッチを採用したマウスという事で注目を浴びる本製品。 構造上チャタリングが起こらず、5000万回以上の高耐久性を誇り、更に軽く優しい押し心地と静音性を兼ね備えている、とメーカーページに記載されている。
搭載センサーはゲーミングマウスで人気の「PixArt PMW3360」を採用しており、ゲーミングマウスとしては申し分のないスペックとなっている点も気になるだろう。
他社製品との比較
マウス本体の形状は古くは「Microsoft IE3.0」の頃から採用され、「右利き用 エルゴノミクス」と呼ばれるもので、完全に右手で扱う事を前提にしており「被せ持ち」が一番使いやすい形状となっている。当時の大人気マウスの形状という事でこの「IEライク」なマウスは他社製品も出しており、どれも各メーカーの定番マウスとして販売されている。
メーカー | 東プレ | ZOWIE | Razer | SteelSeries |
シリーズ | -- | DeathAdder | Rival | |
型番 | RFM01U11 | ZOWIE EC1 | RZ01-03210100-R3M1 | 62433 |
マウスタイプ | ゲーミングマウス | ゲーミングマウス | ゲーミングマウス | ゲーミングマウス |
マウスデザイン | 右利き用 エルゴノミクス | 右利き用 | 右利き用 エルゴノミクス | エルゴノミクス 右利き用 |
有線/無線 | ワイヤードタイプ | ワイヤードタイプ | ワイヤードタイプ | ワイヤードタイプ |
カラー | 黒(ブラック) | 黒(ブラック) | 黒(ブラック) | 黒(ブラック) |
センサー方式 | オプティカル(光学式) | オプティカル(光学式) | オプティカル(光学式) | オプティカル(光学式) |
センサー型番 | PMW 3360 | 3360 | Razer Focus+ | SteelSeries TrueMove3 オプティカルセンサー |
解像度 | 100~12,000dpi | 最大3200dpi (400/800/1600/3200DPI) | 20000dpi | 12000CPI (100 - 12000 CPI(100 刻み)) |
最大トラッキング速度 | -- | -- | 650IPS | 350IPS |
最大加速度 | 50(G) | -- | 50(G) | 50(G) |
ポーリングレート | -- | -- | -- | 1ms |
インターフェイス | USB | USB | USB | USB |
カスタマイズ可能ボタン | -- | -- | 8 | オムロン製スイッチ |
総ボタン数 | 6 | 5 | -- | 6 |
発光ユニット | 搭載 | -- | 搭載 | 搭載 |
LEDカラー | 7色 | -- | RGB | RGB (PrismSync対応) |
マウス寸法 | 122(D)mm x67(W)mm x42(H)mm | 128(D)mm x64(W)mm x43(H)mm | 127(D)mm x61.7(W)mm x42.7(H)mm | 127.6(D)mm x62.07(W)mm x41.98(H)mm |
本体重量 | 83g (ケーブル除く) | 約97g | 82g (ケーブル除く) | 88.3g |
ケーブル長 | 1.8m | 約2m | 2.1m | 2m |
ソフトウェア | -- | 不要 (USB 2.0/3.0 プラグ・アンド・プレイ) | Razer Synapse 3 | SteelSeries Engine 3 |
オンボードメモリプロファイル | 有 | -- | 4+1 | -- |
最大USBレポートレート | -- | 1000Hz (125/500/1000Hz) | -- | -- |
バリエーションサイズ | -- | L | -- | -- |
対応OS | -- | Windows 2000、XP、VISTA、7、8、および10 : Mac OS X v10.2 | -- | -- |
スイッチ寿命/耐久 | 5000万回以上 | -- | 7000万回以上 | -- |
スクロールホイール | -- | -- | タクタイル・スクロールホイール | -- |
オンボードメモリ | 有 | -- | オンボードメモリとクラウドのハイブリッドストレージ | -- |
ケーブル表皮 | PVC | -- | 編組(布巻)コード (Razer Speedflex ケーブル) | -- |
左右ボタン | 静電容量無接点方式スイッチ | -- | -- | -- |
保証期間 | 1年間 | -- | 2年間 | 1年間 |
発売日 |
2020-03-19 |
2019-11-29 |
2020-01-24 |
2017-09-07 |
JAN/EUCコード | 4560299341582 | 4544438040932 | 4589967504081 | 5707119031967 |
上記比較表を見てみるとサイズや重さに大きく違いが無いのが分かる。変わり映えしない、と言われてしまうかもしれないが、人間にとって使いやすい形状がそう頻繁に変わる事は無いため仕方がないだろう。むしろ既に同様の形状をした他製品を使用しているユーザーにとっては、一番スイッチの違いが実感できるのではないだろうか。
個人的には左右のクリック部分と本体が「セパレート形式」になっており、より元祖「IE3.0」らしくなっている点にも注目している。
ファーストインプレッション
秋葉原店舗にてサンプル品が提供されていたので、少しだけ触らせてもらったのだが、各スタッフで反応が両極端に分かれており中々面白い反応を見せてもらった。
筆者自身も触らせてもらったが、端的に言ってしまうと普段と違う「慣れ」が必要だろう、という感想に至った。筆者は「ZOWIE EC1」を愛用しているが、本製品は非常に持ちやすくマウスを動かす上で違和感を感じなかった。しかし普段通りクリックを押し、返ってきた感触には思わず声が漏れ出てしまったほどだ。
カチッというクリック音が無い事に戸惑い、静電容量無接点方式スイッチ特有のふわっとした押し心地に指先がぞわぞわとしてしまう。
製品が売りにしている部分に戸惑ってしまうものの「(初めてRealForceのキーボードを触った時も同じような気持ちだったな)」という事をふと思い出してしまった。 キーボードも結局使い込む内に慣れて行ったが、マウスにもそれが適用されそうだ。
細かい配慮とブランドの確かな品質、そしてコストバランス
マウス底面には爪先で切り替えられるスイッチがあり、DPIの切り替えも行える。専用ソフトウェアを使えば「100 ~ 12,000 DPI」の範囲でカスタマイズ可能と他社製品と同程度の機能は備えている。
マウスケーブルは直径2.8mmの極細ケーブルを採用し、更にケーブルの付け根部分を上側へ浮かせる事でマウスパッドとの接地面を少なくする事で、取り回しの際に邪魔にならないようにと細かい配慮がなされている。
そして日本の工場で設計、開発、生産による高品質と「東プレ」「RealForce」としてのブランド。
諸々加味すると確かに不思議ではないが、やはり実売価格17,980円(2020年3月19日時点)はマウスとしてかなり高額と言わざるを得ないだろう。 キーボードも確かに高額ではあるが『ゲーミングキーボード』というラインナップ全体が15,000円~30,000円という価格になっている昨今ではそこまで大きく差がある訳ではない。
しかしこの価格帯のマウスとなると、周りは無線マウスや多機能ハイエンドモデルが主になり、上で紹介した同系列マウスと比べるまでもなく高くなってしまう。
『RealForce』というブランド製品そのものがハイエンドモデルである事もそうだが、気になるからと言って気軽に買えるような価格ではないのも事実だろう。 従来のマウスとは感触が明らかに違っているので、どうしても気になるのであれば是非ともお店で実物を触ってから検討してみて欲しい。
東プレ(トウプレ)について
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