ASRockは2020年5月27日(水)よりインテル第10世代COREプロセッサー(Comet Lake-S)向けのソケットLGA1200対応intel 400シリーズのミドルレンジ、ローエンドチップセット「H470」「B460」「H410※」などを搭載したマザーボードの国内販売を開始している。

※ASRock H410チップセット搭載マザーボードは発表済みだが解禁時点では未発売。

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今回追加されたASRock インテル400シリーズマザーボードはメインストリーム向け「H470」、ビジネス向け「B460」、コスト重視の「H410」と、既に発売している「Z490」の下位チップセットを搭載している事から、価格を抑えた実用的な製品が割多く含まれている。

とはいえ「Z490」は魅力的だが通常使いではオーバースペックとなる場合が多く、かつ搭載ボードは多機能で価格も高いという事もありオーバークロックやグラフィックスカードの複数実装を考えていない場合は今回登場した3チップセットのいずれかが本命となる人も多いはずだ。

そんな訳で早速ラインアップをシリーズ、フォームファクタ、チップセット別にまとめて比較してみた。

解禁時に発売を開始したASRockインテルH4xx、B4xxチップセット搭載モデルは以下の通り。

シリーズ別分類

ここではまずシリーズ別に分類してみた、ゲーマー向けシリーズからは「H470 Phantom Gaming 4」、「H470 Steel Legend」の2モデル。 バランス型のPROシリーズからは「H470M Pro4」、「B460M Pro4」の2モデル。 特に命名されていないがコスパなスタンダードシリーズからは「H470M-ITX/ac」、「B460M-HDV」の2モデル、合計6モデルが販売を開始している。

インテル300シリーズ発売時は10モデルだったことを考えるとラインアップは絞り込まれている、ただしH410が未発売なのでこの部分が拡充されれば従来どおりとなりそうだ。

ここではZ490も含めASRock400シリーズマザーボードをフォームファクタ(大きさ)別に分類しまとめてみた。

ASRockインテル400シリーズでは、「ATX」8モデル、「MicroATX」4モデル、「Mini-ITX」3モデルがラインアップされているが、大枠で言えば今回はATXが増加し、MicroATXが減っている傾向にある。

これは旧来のFatal1tyから改名した定番ゲーミングブランド「Phantom Gaming」、オールラウンドの「Taichi」に加え、高耐久コスパで人気を博している「Steel Legent」、上位チップセットでコスパを追求した「Extreme」、組込み向けなど定番の「Pro」などASRockが年々強化しているブランディングがハイエンドであるZ490+ATXに集中してしまった結果と言えるかもしれない。

とはいえそれぞれのブランドに人気は分散しており、迷う人も多いかもしれないが選択肢がある事はあるいみ楽しいのでモデル毎の特徴をヒントに自分向けの一枚を見つけて欲しい。

次にチップセット別にまとめてみた、ここではスペック詳細が比較できる表も用意してあるのでモデル別の搭載機能や仕様を確認しながら自分に適したマザーボードが見つかるかもしれない。

H470チップセット搭載マザーボード

H470はメインストリーム、つまり最も普及帯を狙ったバランス、オールラウンド型のチップセットで上位Z490との大きな違いはグラフィックスカード、特にNVIDIA SLIの多枚数差しの制限とヘビーOCへの対応といった所、つまり使用がシングルGPUでOCはカジュアル、もしくはnonOCという事であればここが狙い目となる。

B460チップセット搭載マザーボード

B460はカンパニー向けだが、ビジネス向けモデルという訳でもなく、どちらかと言えばオフィス用というよりはネットカフェなど定格でカッチリとしたスペックで増設はほどほどに、後にグラフィックスカードもとりあえず増設できます、といった手堅いPCの構築に適している。 贅肉をそぎ落とした分安価で購入可能なモデルが多い。

H410チップセット搭載マザーボード(価格帯 未発売)

H410は機能を細かくカット、制限しコストを引き下げているので低価格な製品が多いが6/2(火)現在でASRockからは未発売、今後2モデルほど発売を予定している。

[2020.6.18 更新] 6/12にMiniITXのスタンダードモデル「H410M-ITX/ac」、6/18にMicroATXのスタンダードモデル「H410M-HDV/M.2」がそれぞれ発売を開始。

Z490チップセット搭載マザーボード

インテル400シリーズの最上位であるZ490チップセット搭載マザーボードは2020年5月20日より8モデル展開で販売を開始している。 ASRock Z490ラインアップについては以下の記事を参照してほしい。

とりあえず知っておきたい点として、第10世代から新ソケットLGA1200が採用されており第9世代を含む過去のインテルコアプロセッサーは非対応(搭載不可)である事を把握しておきたい。

ただしCPUクーラーはLGA1151対応のものと互換性があり、Coffee Lake向けやLabyLake向けのものが基本的には使用可能、ただし対応TDPが搭載するプロセッサーよりも高いものを選択しないと冷却不十分となりパフォーマンスが発揮されない事態に陥るので留意。

BFBとは「ベースクロックフリークエンシーブースト」の略称でASRockの新テクノロジーの1つ、ざっくりと言えばBoostクロックの強化機能だ。

基本的にインテルのプロセッサーのブーストクロックは時限動作が原則で、一定時間(約30秒)を経過すると通常クロック付近まで戻ってしまう仕様なのだが、BFBテクノロジーを使うと設定したTDP増加に則し通常より高いクロックでより長い時間動作させ続ける事が出来、結果パフォーマンスが飛躍的に向上するという代物。

設定方法は簡単で起動時にDELまたはF2キーでBIOS画面に入りF6キーをおしアドバンスモードへ、次にOC Tweakerのタブを開きBFBをクリックすると設定が可能となる。 初期値はAutoで65W、で5W単位で最大125Wまで設定が可能、当然上げれば上げるほどパフォーマンスが向上するが合わせて発熱も上がる為、この機能を使うにあたり最低でもTDP125W以上に対応するCPUクーラーを選択しておくことを推奨しておきたい。

対応メモリーは基本的に288Pin DDR4-LongDIMM(一般的なデスクトップ向けDDR4メモリー)なので入手性は高い、ECCは非対応なのでnon-ECCタイプを選択する。

定格でも組合わせるプロセッサーによって2133MHz / 2400MHz / 2666MHzに加え 2933MHzと、メモリーの対応速度が変わるので覚えておきたい。 ただしJEDEC SPDに準拠した、いわゆる「定格メモリー」であれば自動でベストな速度に設定されるので通常DDR4 2666MHzを選んでおけば問題ないがもし今回選択したプロセッサーが第10世代CORE i7もしくはCORE i9の場合のみ、2933MHzに対応しているので定格動作前提における最善の選択肢はDDR4 2933MHzということになる。

容量については昨年から流通されている大容量32GBモジュール(1枚で32GBのメモリー)も標準対応しているので、Intel 400シリーズの上限となる4スロットフルで埋めれば最大128GBまで増設する事が可能(一部小型マザーは2スロットで64GB)、これはクリエイティブな作業をする場合、大きなメリットと言えそうだ。

次にオーバークロックメモリー(OCメモリー)関してはオウンリスクが高まるがその分パフォーマンスを向上させる事が可能、今回のインテル400シリーズはさらにメモリーOC耐性が改善され対応能力が向上している。

ただし、H470、B460、H410チップセットの場合はいずれもメモリーを含めたOCに適しておらず、ゲーミングモデルやPROシリーズでも定格運用が前提と考えておいて欲しい。 メモリーOCを考えているのであればOC強化、特化型のZ490チップセット搭載マザーボードをオススメしたい。

メモリーを定格かOC、どちらの設定で動作させるにせよComet Lake-Sであれば旧世代よりも有利かつ安易に行えるのは間違いないのでレンジ内で好みの対応メモリーを選択してほしい。

Microsoft社の対応OSはWindows 10シリーズ64bit版のみ、これは7世代以降引き続きといった話だがWindows 7やWindows8などは基本的には使えないので注意が必要。

今回の追加チップセットの登場でASRockのインテル400シリーズは計15モデルへ拡充している。 発表済み、未発売モデルを含めると総勢20モデル展開となり価格やフォームファクタ、機能や拡張能力(チップセット)などをキーに仕訳けていけば、自分に合った一枚が見つかるはずだ。