Crucial DDR4 次世代8Gbit DRAM搭載1Rank 8GBモジュールが普及帯価格へ
2016年4月、DDR4 DRAMの次期主力といわれていた8Gbit DRAMを採用した製品が個々数週間で大幅に値を下げてきている、8GBモジュールで比較した場合、現行主力である4Gbit DRAM採用製品(2Rank 16チップタイプ)の価格に並び、場合によっては追い越している。
Crucialでもビットクロスが発生、8GBモジュールの主力は1Rank(片面8chip実装)タイプへ
DDR4 DRAMの次期主力といわれていた8Gbit DRAMを採用したDDR4メモリーモジュールが2016年3月後半より大幅に価格が下落、同年4月に入った段階で価格的なプレミアはなくなり、現行の4Gbit DRAMを採用している同容量のメモリーと比較しても割安となるケースも出て来ている。
人気のCrucial製DDR4メモリーキットも例外ではなく、2016年4月4日現在のアークオンラインストアの価格ではデスクトップ用288pinタイプのDDR4メモリーキット 16GB(8GBx2枚組)で税込み8480円、32GB(8GBx4枚組)で税込み15980円 と4Gb DRAM搭載タイプのDDR4だけでなくDDR3の通常最安値にもほぼ追いついている。
左が8Gbit DRAM採用、右が4Gbit DRAM採用タイプの製品
Crucial 8GBモジュール採用製品の場合末尾から5桁目の値が「S」か「D」の違いで判断出来る、 「S」はSingle Rank、つまり1Rank(8Chip)で8GBを構成しており8Gbit DRAMである事が判る、「D」はDual Rank(2Rank)で8GBを構成するのに16Chip使用している事になる。※
※x8タイプを前提としています。
16GB(8GB x2枚組キット)
32GB(8GB x4枚組キット)
実は想定外?DRAM単品マーケットより先行した価格下落となったメモリーモジュール
気になる点としては、2016年4月4日の時点でDRAM eXchangeにおけるDDR4 8Gbit DRAMの平均価格は$4.691-と4Gbit DRAMの$1.673-(8Gbit相当で$3.346-)と比べまだ1.3倍近く高い事だ。
これは恐らくDRAMメーカーの戦略で8Gbit DRAM単品として価格はまだ下げておらず、大手PCメーカーやモジュールメーカーなど一部の供給先に対して「8GBメモリー」分のなにか、として提供する場合に1rank 2Rankを区別せずに提供した結果発生しているギャップではないかと推測している。
Kingstonメモリーも8Gbit DRAMを搭載した16Gモジュールが大幅に価格を下げてきている
暫くは等価値化、後に4Gbit DRAMは主力外へ
暫くは両面8GBメモリーモジュールと片面8GBメモリーモジュールは近い価格で入手可能になりそうだ、また8Gbit DRAMの普及価格化は1枚で16GBを構成する大容量タイプのモジュールも割安で入手が可能になったという事でもあり、必要かどうかはさておき大容量メモリー搭載PCが安価で構成出来るのも大きなメリットだ。
上記の通りエンドユーザーにとって素直に嬉しい事だが、PCメーカーや組み込み用途の場合デメリットもある、生産コストが合わない4Gbit DRAMが切り捨てられた場合、1枚64Bitで構成する現在の一般的名メモリーモジュールの仕様上、4GBメモリーモジュールが作れなくなってしまう。
メーカーPCや組み込み向けの平均初期搭載メモリーはまだ4GB~8GB、デュアルチャンネルに対応する為、2枚1組で構成する。 つまり8GBメモリー搭載PCの場合、1枚で4GBのメモリーモジュールが2枚必用になる。
その4GBメモリーモジュールには当然8Gbit DRAMは使えない(4Chip 1Rank構成では32bitになってしまう)ので、8Gbit DRAMがいくら安くなっても低価格PCのコスト引き下げなどには繋がらない、という訳だ。
単純にDRAMコスト部分だけで見た場合、8Gbit DRAM 1個が4Gbit DRAM 2個分の価格で安定すればそういった心配は発生しないがそうそう上手くバランスが取れないのもこの市場の特色であり、今後のメモリー市場にも注目していきたい。
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