パソコンSHOP アークの店舗スタッフを務めているスタッフM.Sです。腕は2本しかないのにデバイスをかき集めたりしてます。今回はイギリスのメーカー『GHOSTGLIDES』から発売されている三種類のドットソール「EDGERUNNER」、「CYCLONE」、「VORTEX」をレビューしていきます。

『GHOSTGLIDES』は、7年にわたってCS:GOチームと共に活動してきたeSports業界のプロフェッショナル数名によって2019年に立ち上げられたイギリスのメーカーです。ゲーミングデバイスメーカーというよりはマウスソールやマウスパッド、アームカバーなど、よりゲームでのパフォーマンスを向上するためのゲーミングアクセサリーを開発しており、マーケティングやトレンドに囚われないオリジナリティのある製品を多数取り揃えてます。こういう少し尖ったメーカー、私は好きです。

まずは1番スタンダードよりの「EDGERUNNER」から。こちらは純PTFE製となっているので布製マウスパッドを使用した上のレビューとなります。実際に使ってみて、早すぎず遅すぎない滑らかな滑りとメリハリのある止めを両立した癖のない、これぞスタンダード!! って感じの操作感でどんなゲームでも対応できそうなソールでした。今回紹介するマウスソールは全てエッジ加工が施されているのですが、この「EDGERUNNER」は他の2種類のソールよりも角が取られており全体的に丸みをおびています。そのためソールが沈み込むような柔らかいマウスパッドでもエッジの引っ掛かりなどが気にならず一定した滑りで操作性を損なうことなくゲームをプレイできました。今回私が使用したのは「EDGERUNNER UNIVERSAL PTFE DOTS」というドットタイプの汎用型なのですが、今回紹介するソールの中で唯一「EDGERUNNER」だけ専用品が用意されており、「G PRO X SUPERLIGHT」用や「RAZER VIPER V3 PRO」用などのマウスに合わせてカットされたモデルも販売しているので、対応するマウスを持っている方はそちらもオススメです。

続いて紹介するのがハードタイプマウスパッドに最適化されたマウスソール「CYCLONE」、素材は硬化PTFE製からできており、ガラス製などのハードマウスパッド向けに作製されているので先に紹介したPTFE素材の「EDGERUNNER」よりも耐摩耗性に優れたマウスソールとなっています。あいにく手持ちのガラスマウスパッドが1枚しかない為、複数のハードマウスパッドによる検証はできなかったのですが、マウスを滑らせた瞬間に目を見開きました。「...滑走音小さくね???」ハードタイプのマウスパッドを使ったことのある方ならわかると思うのですが、激しいマウス操作をするとマウスパッドとソールの摩擦でそこそこの滑走音が出てしまうんですね。正直ハードタイプのマウスパッドを使う上ではもう仕方のないことだと気にしてなかったのですが、個人的な体感になりますけど普通のマウスソールに比べて1/2ぐらいまで滑走音を抑えられている気がします。ほぼ布製マウスパッドで操作しているときと変わらないぐらいの滑走音ですね。ちなみに布製マウスパッドでも試してみましたが布でも若干滑走音が抑えられていました。滑りにおいてもスピード寄りの摩擦の少ないスムーズな操作感と、ガラスパッドを使用しているのにも関わらずなぜか軽い力で止まってくれるストッピング性能も兼ね備えた、まさにハードパッドに最適化されたマウスソールです。もちろん布製マウスパッドで使用する場合でも滑らかさを実感できるのですが、やはりハードタイプマウスパッドをメインで使っている方に強くオススメしたいソールとなっています。

最後は布製マウスパッドに最適化されたUHMW製マウスソール「VORTEX」。まずUHMWについて簡単に説明すると、正式名称Ultra High Molecular Weight Poly Ethyleneの頭文字を取った略称となっており、和名では超高分子量ポリエチレンというマウスソールでおなじみの優れた耐摩耗性が特徴の素材です。今では様々なメーカーから超高分子量ポリエチレン製(以下 高ポリソール)のマウスソールが販売されていますが、この「VORTEX」は他の高ポリソールにはない特徴があります。それが表面に施された肉眼でも確認できるほどのザラザラとした特殊テクスチャ加工です。他メーカーから出ている高ポリソールは耐摩耗性に優れた材質であることからガラス製などのハードタイプマウスパッドでの使用を推奨しているのですが、この「VORTEX」は特殊テクスチャ加工の真価を発揮するため布製マウスパッド向けのソールとなっています。本来の高ポリソールはPTFE製よりも摩擦係数が高いという材質の特性を生かし、マウスソールとマウスパッドの間で生じた摩擦力によってヌメヌメとしたコントロール性を確保するというものになっていいます。しかし「VORTEX」の場合は材質の特性を作用させてコントロール性を上げるのではなく、表面に施された凸凹の特殊テクスチャによって摩擦係数をより高くして滑走速度を遅くし、コントロール性を確保するという今までにない特殊なソールになっています。操作感もザラッザラッと手に伝わってくるほどだったので「ホントに使えるのかな...」と思い、オンラインゲーム「VALORANT」で操作感を試してみました。結果そのザラザラ感は全く気にならず、むしろマイクロフリックなどの細かいエイムのやりやすさと抜群の止め性能、コントロール性の高い程よい滑り具合に一目惚れしてしまい、追加でもう1パック買うほどでした。コントロールに優れたソールをお探しの方や、細かいエイムをしたときに手が震えてしまう方には是非オススメしたいソールです。ただ材質の耐摩耗性は高いのですが特殊テクスチャ加工の凹凸がほんの少しすり減りやすく、操作感が若干かわってくるので最初の操作感を維持したい方は2～3週間おきに張り替える事をオススメします。