「DDR3は微上げ、DDR4上位モデルが品薄に、今後の影響は?」PCメモリー価格動向ピックアップレポート - 2015年9月1週目版
2015年9月1週目のパソコン用メモリーの価格変動レポート。パソコンSHOPアークのデータを元に注目情報や注目メモリーをピックアップ。今週はDDR4ハイクロックタイプの製品が極端な品薄に、DDR3は弱反転気配だが全体的には横ばい状態となった、価格の推移以前に品薄状態となったDDR4 OC系メモリがもたらす今後のマーケットへの影響は・・・。今週のデータと市況を元にレポートをまとめてみた。
メモリー相場変動TOPIC
サンプリング日:2015/9/3
前回更新(比較)日:2015/8/27
サンプリングアイテム数:7466アイテム(前回比+29アイテム)
今週の値下がりアイテム数:171アイテム(前回比-1204アイテム)
今週の値上げリアイテム数:946アイテム(前回比+830アイテム)
今週のアイテム総合平均値動き幅:-6円(前回平均-153円)
今週の値下げアイテムの平均値下がり金額:-1520円(前回平均-929円)
今週の値上げアイテムの平均値上がり金額:+219円(前回平均+567円)
総合平均 過去2ヶ月推移
9月 | 対象Item数 | 総合平均値動き幅 |
---|---|---|
9月1週 | 7466 | -6円 |
8月 | 対象Item数 | 総合平均値動き幅 |
---|---|---|
8月4週 | 7437 | -153円 |
8月3週 | 7429 | +59円 |
8月2週 | 7429 | -10円 |
8月1週 | 7353 | -94円 |
7月 | 対象Item数 | 総合平均値動き幅 |
---|---|---|
7月5週 | 7316 | -136円 |
7月4週 | 7289 | -45円 |
7月3週 | 7273 | -177円 |
7月2週 | 7271 | -217円 |
一部のDDR4製品が品薄へ、需要増加、納期悪化によるマーケットへの影響
ざっくりいうと9月に入りDDR3 DDR4共に値下げアイテムが激減、値下げ対象アイテム内の下げ幅は-1520と比較的大きく推移しているが、これは一部のDDR4大容量メモリーに偏っている為、実質DDR4トレンド製品は微下げもしくはほぼ横ばい、DDR3/DDR3Lについては多くのアイテムが微上げとなった。
ただし今週は価格の変動要素以上に、DDR4のOC上位クラス(ハイクロック)の選別メモリの納期が数週間~未定と悪化している事に注目したい。
これは現状DDR4-3000以上の製品に使われているDRAMの新ロットの耐性が前回ほどではなくなったか、もしくはそのリビジョンのDRAM自体が品薄になっている可能性が高く、DDR4 DRAMの価格としては特に値上げ方向に変動している様子は今現在では確認できていない事から、特定のDRAMの状況に大きな変化があったと考えてよさそうだ。
上記から特に
- DDR4-2800 1.2Volt選別もしくは1.25Volt選別モデル
- DDR4-3000 1.35Volt選別以上
に該当するメモリーを購入予定のユーザーはここ暫く入手性が悪く、通常よりも納期に時間がかかってしまう恐れがあることに注意する必要がありそうだ。ただしモジュールメーカにより品薄のモデルは異なる。
単純に高耐性のDRAMが品薄なだけであればある程度の期間で回復すると思われるが、DRAMの耐性変化などにより製品が作れない場合は納期の回復以前に現状スペックの製品がこのまま終息してしまう可能性もある。
今後の注目ポイント
とり急ぎDDR4上位選別(OC系 DDR4-2800クラス以上)モデルの品薄がDDR4通常スペック(DDR4-2133クラス)品への市場価格に大きく影響するという事はなさそうだが、需要と供給のバランスが現状レベルにて継続していくようであればマーケットの自然な流れとして値下げに向かう可能性は少なくなると思われる。
DDR3に関しては一つの踊り場に出た、つまり安定相場に近い状況となってきた、今後大きく相場変動を起こす気配、情報は今の所確認出来ていないが、ちょっとした事で大きく変動するのがDRAM市場なので引き続き留意しておきたい。