「値上げメモリーが値下げメモリー数を上回る、ただし平均価格は下がる結果に」PCメモリー価格動向ピックアップレポート - 2015年9月3~4週目版
2015年9月3週目のパソコン用メモリーの価格変動レポート。パソコンSHOPアークのデータを元に注目情報や注目メモリーをピックアップ。先週より若干数ではあるがDDR4ハイクロックタイプの製品や8GBモジュールタイプのメモリーが再入荷してきている、ただし発注に対して割り振り状態となっており、新規の発注時にはかなり納期がかかる品薄状態は相変わらず改善されていない。 またDRAM価格の値動きが大幅に鈍化、さらに為替が若干円安に動いた分、今週は値上げアイテムが値下げアイテムを上回る結果となった。 踊り場?反転?判断が難しい状況になってきたメモリーマーケットを今週のデータと市況を元にレポートをまとめてみた。
メモリー相場変動TOPIC
サンプリング日:2015/9/17
前回更新(比較)日:2015/9/10
サンプリングアイテム数:7515アイテム(前回比+15アイテム)
今週の値下がりアイテム数:225アイテム(前回比-780アイテム)
今週の値上げリアイテム数:899アイテム(前回比+880アイテム)
今週のアイテム総合平均値動き幅:-35円(前回平均-77円)
今週の値下げアイテムの平均値下がり金額:-1909円(前回平均-623円)
今週の値上げアイテムの平均値上がり金額:+164円(前回平均+176円)
ポイント
今週の注目点としてはまず値上げアイテムが全体の11%まで増加した事。 これは先週より円安に動いた為替によるもので金額的には平均164円に留まっている、対して値下げアイテムは前回比-780アイテムと数量的には大幅に減少したが、値下げ幅は平均-1909円と先週の-623円より3倍ほど増加した。
ただしこの増加した値下げ幅はトレンドラインのメモリーには絡んでおらず16GBモジュール(8Gbit DRAM採用製品)を採用する大容量モデル、しかもGeIL社製品の価格後追いによる大幅値下げに限定されているものであり、これに該当する製品を除いた場合の平均値下がり金額は-625円と先週の水準とほぼ同じとなっている。
DRAM相場はDDR4 8GbitDRAM採用製品を除くと、価格推移がほぼ見られない安定した1週間となった。
総合平均 過去2ヶ月推移
9月 | 対象Item数 | 総合平均値動き幅 |
---|---|---|
9月3週 | 7515 | -35円 |
9月2週 | 7500 | -77円 |
9月1週 | 7466 | -6円 |
8月 | 対象Item数 | 総合平均値動き幅 |
---|---|---|
8月4週 | 7437 | -153円 |
8月3週 | 7429 | +59円 |
8月2週 | 7429 | -10円 |
8月1週 | 7353 | -94円 |
7月 | 対象Item数 | 総合平均値動き幅 |
---|---|---|
7月5週 | 7316 | -136円 |
今週の注目アイテム
HYPERX FURY DDR4シリーズ
コストパフォーマンスに優れているのはもちろんの事、鮮麗されたデザインと丁度よい速度、レーテンシで人気急上昇中のシリーズ、シルバーウィーク前に入荷した分はほぼ売れてしまっている。
またシルバーウィーク明けには上位モデルのHyperX Savage DDR4シリーズが登場予定となっているがHyperX SavageはPnP動作タイプのFuryと比べレーテンシが低いXMP対応の上位選別シリーズとなっている分3割ほど高くなる為、Furyシリーズの人気は当面継続しそうだ。
Venveance LPX DDR4-3000 16GBx2枚キット
Cosairのメインストリームモデル「Vengeance LPX」シリーズの32GB(16GBモジュールx2枚組)キット初のDDR4-3000スペックを実現した超選別モデル、8GbitDRAMのOC耐性がまだ不明瞭なため、狙っていたユーザーは早めの確保が吉
Skylake向け PC4-24000 (DDR4-3000MHz) CL15-17-17 16GBモジュールを2枚1組にした32GBメモリキット。クーラーに干渉しにくいロープロファイルタイプのVengeance LPXスプレッタ採用モデル。
Ripjaws5 DDR4-2800 8GBx2枚組 Rev Bタイプ
初代モデル「F4-2800C15D-16GVB」のレーテンシ変更モデル、一見どちらもCL15だが初代のCL15-15-15に対してRev BはCL15-16-16と若干遅くなっていおる、ただし初代スペックを満たす4Gbit DRAMは現在かなり少ない為、実質はこちらが主力化していく可能性が強い。 価格も割安なのでRev Bも十分にオススメできる。
Ripjaws5 F4-2800C15D-16GVRのRev BモデルDDR4 2800MHz 1.25Volt動作はそのままでCL15-15-15からCL15-16-16へスペック変更されたマイナーチェンジモデル、8GB 2枚組、第6世代intelプロセッサ向けに開発された16GBデュアルチャンネル対応キット
今後の注目ポイント
DDR4上位モデルDRAM耐性の変化による商品のマイナーチェンジが始まる
先週の注目ポイントで触れた
DDR4のOC上位選別(DDR4-2800~DDR4-3600)品についてはどうやら今まで選別可能だったDRAMの耐性レベルに変化が現れ今のDRAMではそこまで伸びない(選別できない)状態になっているようだ。
という状態に対してG.SkillやCorsairなどは現状のDRAMで選別可能なスペックチェンジ(主にレーテンシ変更)を開始した、従来のモデルは即EOLにはなってないようだが今後のDRAMのOC耐性次第によってはそのまま終息してしまうかもしれない。
このケースの場合、基本的に先に発売されていたモデルのほうが耐性が高く、レーテンシ、クロック共に優秀な事が多い。 ただ早い時期での購入は、価格が今よりも数割から数倍高い為、安くて速いメモリを入手するベストなタイミングは現在の流れのまま進んだ場合、結果的に7月末~8月前半だったという事になりそうだ。
DDR4値上がり要素はまだ少ないが納期には留意
DDR4モジュールの価格はこの状況においても値上がる要素が少なく、現行4GbDRAMに対して8GbDRAMのDRAM単価が2倍となる、いわゆる「ビットクロス」の状態までは全体的には下がっていく傾向だ。
ただしDDR4 4GbitDRAMの価格下落は一段落した可能性もあるため、今後しばらく価格が下がるのは16GBモジュール採用製品に限定されるかもれない。
また、シルバーウィーク明けにDDR4を取寄せた場合、モジュールの生産が追い付いていない為、通常よりも大幅に納期がかかってしまう可能性がある、つまり納期が優先する場合は現時点で即納のメモリーを早めに手に入れてしまうほうが良いかもしれない。
お知らせ
※9月第4週はシルバーウィークにより代理店価格変更が無い為、レポートの更新はお休みとなります。