「小幅推移で価格変動は安定しつつも着実に下落傾向」PCメモリー価格動向ピックアップレポート - 2015年11月4週目版
2015年11月4週目(11月19日までのデータ集計)のパソコン用メモリーの価格変動レポート、値下げ、値上げアイテム共に減少し価格ステイのアイテムが増加し、安定するかと思いきや、一部メーカーの価格追従などで平均値下げ幅は上昇。日々状況が変化するPCメモリーマーケットの価格推移や需要供給バランスなど今週のパソコンSHOPアークのデータを元に注目情報や注目メモリーをピックアップ。
メモリー相場変動TOPIC
サンプリング日:2015/11/19
前回更新(比較)日:2015/11/12
サンプリングアイテム数:7007アイテム(前回比+8アイテム)
今週の値下がりアイテム数:362アイテム(前回比-30アイテム)
今週の値上げリアイテム数:562アイテム(前回比-307アイテム)
今週のアイテム総合平均値動き幅:-33円(前回平均-2円)
今週の値下げアイテムの平均値下がり金額:-769円(前回平均-732円)
今週の値上げアイテムの平均値上がり金額:+47円(前回平均+350円)
ポイント
先週比で値下がり、値上がりアイテム共に減少し安定するかに思えたがGeIL社の他社価格へ後追いとなる16GBモジュールベース製品の大幅値下げなどがあり平均値下がり価格は-769円と引き続き高い水準となった、ただし単価が1万円前後、もしくはそれ以下のアイテムに限定した場合は値動きは上下に関わらず少なかった。
総合平均 過去2ヶ月推移
11月 | 対象Item数 | 総合平均値動き幅 |
---|---|---|
11月4週 | 7007 | -33円 |
11月3週 | 6999 | -2円 |
11月2週 | 6980 | -36円 |
11月1週 | 6982 | -39円 |
10月 | 対象Item数 | 総合平均値動き幅 |
---|---|---|
10月4週 | 6931 | -38円 |
10月3週 | 7229 | -40円 |
10月2週 | 7206 | -51円 |
10月1週 | 7159 | -76円 |
今週は2015年の月間推移を主力カテゴリ毎にまとめてみる
最近は一部の高額系メモリーを除き比較的落ち着いてきたが、2015年を振り返るとデスクトップ向け288Pin DDR4 DIMMに限定した場合、11ヶ月で実に62.3%の値下がりを記録するなどDRAM価格は乱降下の年となった。
今週は年末商戦に向け、ここまでの傾向を知っておきたい主力PC増設用メモリーから主力ジャンル3カテゴリをピックアップし2015年のアークの価格変動推移を追ってみた。
更に今回はデータの実用性を高める為、サンプリング対象は現在もアクティブ(販売中、もしくはお取り寄せ可能)アイテムのみ限定し、既に製造終了となっているアイテム等は除外した。
また特殊相場となるサーバー、ワークステーション用も今回は除外した。
DDR4デスクトップ用メモリー
- 対象カテゴリー :288pin DDR4 DIMM Unbuffered non-ECC
- 対象アイテム数 :527アイテム
Skyalake発売タイミングを挟み前後2段回に分け値下がり
DDR4デスクトップ向けは2015年1月1日~11月17日(今年約1年)までで全体平均で半額以上となる62.3%の下落となった。 DDR4は元々が高額だった為、値下げ要素は多かったがこの変動率は代理店、メーカー想定を超えるものとなった、8月に登場した「Skyalake」需要により一時的に値上がりとなったが供給がすぐに追い付き、かつ供給量も増加した事や、半導体メーカーシェア競いが激化した事もあり3月後半~10月後半までは段階的に大きく下落を続けた。11月に入り一旦は安定しているが下げ傾向は変わらない、但し下げ幅は分母が小さくなっている分少なくなっている。
DDR3デスクトップ用メモリー
- 対象カテゴリー :240pin DDR3/DDR3L DIMM Unbuffered non-ECC
- 対象アイテム数 :697アイテム
特に7月~10月後半にかけ長期的に値下がり
DDR3デスクトップ向けは2015年1月1日~11月17日(今年約1年)までで全体平均で約半額となる42.3%の下落となった。 また2015年は「Skyalake」の登場によりintelメインプラットフォームがDDR4に対応、主力メモリーとしての役割をバトンタッチする年にもなった。
DDR3ノート用メモリー
- 対象カテゴリー :204pin DDR3/DDR3L S.O.DIMM Unbuffered non-ECC
- 対象アイテム数 :166アイテム
デスクトップと基本的には同タイミングで値下がり
DDR3ノート用は2015年1月1日~11月17日(今年約1年)までで全体平均で33.1%の下落となった。 ノートブックはデスクトップと異なりDDR4を採用したモデルが全体のほんの一部だった為、デスクトップ程の値崩れを起こさず安定した価格推移となった、それでも年間では3割を越す下げ率となっている。
今後の注目ポイント
一応の価格安定期に入っている現在、為替が全体平均価格に及ぼす一番の要因となっている、注目点としてはDDR3のハイクロックモデルにプレミアがなくなりつつあり、かつDDR4も2400MHz、容量やレーテンシによっては2666MHzクラスあたりまでが2133とあまり変わらない価格差まで近づいてきている所だ。
DDR4の帯域、設計を考えるとエンドユーザーなら2ランクくらい上のクロックの製品に足を伸ばしてみてもいいかもしれない。
年末年始期間までスパンを伸ばし場合の注目ポイントは販売店の戦略的特価や処分アイテムになってきそうだ、各販売店から出る目玉プライスに注目したい。
ただしショップ側も過度な需要は見込めない事や為替が不安定に上下している事やラインナップが多すぎる事から売れるアイテムが分散してしまいボリュームゾーンでの攻勢をかけ難い(リスク増)などの事情もある。
とはいえシュリンクされたDRAMが量産に入りつつある現在の情況で大きく価格が上がる要因は今の所無さそうだ、当面はDDR3とDDR4の価格追従レースをショップ間の最安値競争が牽引する状況が続きそうだ。