PCメモリー価格動向ピックアップレポート - 2015年7月第3週目版
2015年7月3週目のパソコン用メモリーの価格変動レポート。値動きの大幅鈍化を確認、主力製品は為替の影響で一部微幅反転も。パソコンSHOPアークのデータを元に注目情報や注目メモリーをピックアップ。不透明なインターネットDRAM相場情報とは異なり販売店のPCメモリーブランド、製品価格を軸にアークメモリー担当がなるべくフラットに情報をお伝えします。
メモリー相場変動TOPIC
- サンプリング日:2015/7/14
- 前回更新(比較)日:2015/7/7
- サンプリングアイテム数:7273アイテム(前回比+3アイテム)
- 今週の値下がりアイテム数:421アイテム(前回比-561アイテム)
- 今週の値上げリアイテム数:832アイテム(前回比+829アイテム)
今週のアイテム総合平均値動き幅:-45円(前回平均-177円)
今週の値下げアイテムの平均値下がり金額:-1161円(前回平均-1370円)
- 今週の値上げアイテムの平均値上がり金額:191円(前回平均349円)
ポイント
総合平均値動き幅を見ると下げ幅平均-45円と先週の-177円から75%も減少した、これは価格下落が一段落した訳ではなく先週比で円安に動いた分、上昇したアイテムが値下げアイテムの価格を吸収した為、価格が安定したと考える事は出来ない。
実際、今週の値下げアイテムに絞った場合、下落率16%、金額にして平均-1161円の下げ幅を記録している。
ただしこれは64GBや128GBなどの大容量モデルの下げ幅によるもので、トレンドラインの8GB、16GBセットのみに絞った場合、平均は-31円と値幅はほぼ無かった。
大容量モデルを除けば下げ進行ではあるが購入後の値下がりリスクは少なくなってきている。
先週のレポート
DDR4は高クロックと後追いアイテムのみ下げ、DDR3は下げ鈍化、為替で微上げも
7月7日から7月14日までの主な流れ
2週続けて大きく価格を下げてきたDDR4を先導してきたCorsarは今週ベースはステイですが為替分で微上げ、G.Skillは引き続き微下げとなった、DDR3の2133MHz以上のハイクロック(OC選別メモリ)カテゴリは引き続き下げ要素が大きいがこれについても価格下げを先導していた同2社が下げ止まり、または為替で微上げとなった事で全体的な価格推移も先週からはかなり緩やかな結果となった。
引き続き下げトレンド傾向に変化はなし
値上がりアイテム数が先週比+829アイテムと急激に増加しているが、これはほぼ為替分の影響に過ぎず、ドルベースで考えた場合のメモリー相場のベクトルは引き続き下げ方向であることは変わっていない。
ただし特価、限定系(通常価格外)については加味していない事や仕入れから入荷までのタイムラグを考えると実際店舗やネットショップでは先週を下回るメモリーがでてくると予想している、ただし売れ筋に限られると想定(売れ筋以外は価格変動リスクの高さから在庫をもつメリットが無い為)
今週のメモリー総合変動幅TOP5
2015/7/14(火)の価格更新データより変動の大きいメモリーをピックアップ
総合 変動幅 TOP5
Brand | Model | 容量(構成) | 税込売価 | 変動幅 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | GeIL | GPR464GB2400C15DQC | 64GB (8x8) | 79151 | -14279 |
2 | A-DATA | AX3U2800W4G12-DGV | 8GB (4x2) | 27300 | -8500 |
3 | GeIL | GLW416GB3000C16QC | 16GB (4x4) | 26380 | -6990 |
4 | SanMax | SMD4-U32G28M-21P-Q | 32GB (8x4) | 39780 | -5200 |
5 | GeIL | GPR432GB2800C16DQC | 32GB (4x8) | 50680 | -4770 |
値下げ幅ではDDR4、DDR3上位選別モデルなどが上位を占めた、通例の大容量メモリもベスト5独占とはならなかったが上位をキープしている。
ただしブランドは先週とはほぼ総入れ替えとなった、これは牽引役のCrucial、Corsair、G.Skillの価格が落ち着いた為、後追いのメーカーが浮き出てきた為。
2位のA-DATAはもともとの値段が高すぎたので参考外と考えて良い。
総合 変動率 TOP5
Brand | Model | 容量(構成) | 税込売価 | 変動率 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | GeIL | GLW416GB3000C16QC | 16GB (4x4) | 26380 | -21% |
2 | UMAX | DCDDR4-2133-8GB | 8GB (4x2) | 9480 | -17% |
3 | SanMax | SMD-8G28HP-16K-D | 8GB (4x2) | 6980 | -17% |
4 | CFD | W3U1333PS-2G | 4GB (2x2) | 4580 | -12% |
5 | SanMax | SMD4-U16G28M-21P-Q | 16GB (4x4) | 21980 | -12% |
値下げ率でも先週のトップ5メーカーとほぼ総入れ替えとなった、注目ポイントとしてはCFDやUMAXなどのが価格を追従し、SanMaxはバリューラインとDDR4の価格を下げたことを上げておきたい。
今週の下げ率上位は、先週値下げを行なったメーカーに追従するライバルの値下げによるもので最安値ラインを更新するには至らなかった。
今後の注目ポイント
今週のキーメーカー
DDR4ではGeIL(ゲイル)がここに来て本領を発揮、一気に価格差をつめてきました、またUMAX(ユーマックス)やA-DATA(エーデータ)も追い上げモードが高まり最安値の更新幅は少ないながらもDDR4メモリーの平均下げ幅は引き続き大きかった。 DDR3はCFD(シーエフディー)やSanMax(サンマックス)が地味に最安値ラインに接近、価格差はまだあるが確実に縮まってきている。
DDR3 DDR4の2400MHzの価格差に注目
レーテンシや細かい電圧などはさておき、DDR3-2400とDDR4-2400の4GBx2枚組セットを単純に価格比較した場合、すでに差が1330円(2015年7月15時点)まで迫ってきている、これはSkylake-Sにむけて懸念されていたDDR4の価格的な(DDR3に対してかなり割高である)問題がほぼ解消されてきていると考えられる。
今後、逆転するタイミング、ペースは現状ではまだもう少し先になりそうではあるがここ最近の大幅な値下がりの結果、DDR4メモリーでPCを構築しやすくなった事は素直に歓迎できる。 引き続きDDR3 DDR4それぞれの2400MHzモデルには注目していきたい。
(上) 7月15日(水)現在のアークオンラインストアDDR4 2400MHz 4GBx2とDDR3 2400MHz 4GBx2のそれぞれの最安値モデル
関連情報
TEXT: Ark Tech & Marketニュース 編集部 石井克朋