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ASRock新型OCマザーをスクープ!

台湾のASRock本社で開発中の新型OCマザーとは一体?!
OC Formulaシリーズ監修のNick Shih氏へのインタビューも敢行。

ビュー: 6202
公開日: 2016-02-07

超OC特化型マザー“Z170M OC Formula”

ASRock専属のOCマスターであるNick Shih氏から、
「新型OCマザーのサンプルが完成するからテストしてみないか?」
と誘われたので11月末に台湾までテストをしに行って来た。

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これが、ASRockの新型OCマザーである“Z170M OC Formula”だ。VRMは合計14フェーズ構成で、基板のレイヤー数は驚きの10層。そして、最も特徴的なのがメモリスロットで、OC耐性を高めるために2本へと削減されている。かなり思い切った仕様だが、メモリスロットを削減した事により驚異的なOC耐性を実現している。

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メモリスロット周りにはOC設定用ボタンや、電圧の測定ポイントなど、OC Foumulaシリーズではお馴染みの機能を搭載。OCには全く関係ないが、“BORN TO BE FAST”の文字は電源ONで発光するようになっている。

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テストではDDR4-4146という高クロック状態にも関わらず、CL12-12-12-28 1Tという超低レイテンシ動作を達成。CPUクロックを4.5GHzに固定してのIntel Extreme Tuning Utilityのスコアは1625 Marksを記録。これまでは、メモリを液体窒素で冷却しても1620を超えるのは難しかったのだが、あっさりと空冷で超えて来たのには驚きだ。

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テスト時の個体はRev 1.00だったが、現在はRev 1.02までアップデートされているので、製品化は近いと思われる。ハイスコアを狙う場合の強力な武器になる事間違いなしの製品なので、オーバークロッカー諸氏は要注目だ。

伝説的オーバークロッカーNick Shih氏にインタビュー!

せっかく台湾に来たのだからOCして帰るだけではもったいない!という事で、OC FormulaシリーズのこだわりポイントやNick Shih氏がOCを始めた経緯などを中心に軽くインタビューして来た。

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【清水】まず最初に軽く自己紹介をお願いします。

【Nick Shih氏】日本のみなさんこんにちは!ASRockのマザーボード開発部門のプロダクトマネージャーをしているNick Shihです。Nick Shihは私の本名であり、私のニックネームでもあります。4年前にオーバークロッカーとしてASRockに入社し、現在はOC Formulaシリーズを始めとするオーバークロック(以下、OC)向けの製品を中心に開発やテストをしています。

【清水】OCを始めたのはいつ頃ですか?

【Nick Shih氏】私がOCを始めたのは2009年の事です。最初は興味本位で空冷OCを楽しむ位のライトなオーバークロッカーでした。しかし、オーバークロッカーである友人の誘いで極冷OCに挑戦する機会がありました。

PCのハードウェアに興味を持っていた事も相まって、気付けば極冷OCに夢中になっていました。そして、「どうやったら上手くOC出来るのだろう?」と考えるようになり、極冷OCの原理を研究しはじめました。続けていく内に良いスコアが出るようになり、やがてOCの大会にも出場するようになりました。

【清水】OCをしてきた中で一番嬉しかった事はなんですか?

【Nick Shih氏】HWBotのオーバークロッカーリーグにおいて、18ヶ月連続でチャンピオンとして君臨出来た事です。長期間首位を維持するのはどんな試合よりも大変です。

相手はHWBotに登録する数万人のオーバークロッカー達ですし、新しいハードウェアが発売される度に誰よりも高いスコアを出さなければなりません。世界記録を出す事は簡単ですが、それを長期間に渡って更新していくのは大変で、最終的には自分との闘いになります。

【清水】OC Formulaシリーズの特徴やアドバンテージについて教えて下さい。個人的には何故メモリのOCが得意なのかが気になります。

【Nick Shih氏】OC FormulaシリーズはOCのために設計された製品です。そのため開発時点で考えられる最高のコンポーネントを採用しています。基板は初代から8層設計にこだわり、VRMの電力供給部分に最高級のチョークコイルとMOSFETを採用しています。

OC耐性と同じくらいに「安定性」や「扱いやすさ」にもこだわって開発しているので、エキスパートだけでなくビギナーからも支持を頂いています。

今やメモリのOCはハイスコアを狙うためには欠かせないものとなっています。メモリの性能を引き出せればCPUクロックで負けている相手にスコアで勝つ事さえできるのです。そのため、OC FormulaシリーズはメモリOCにもこだわって開発しています。

メモリのOC耐性を高めるための工夫ですが、ハードウェアの面では先程申し上げた8層基板や配線設計に加えて、メモリスロットの端子に15u金メッキを採用している事が挙げられます。

ソフトウェアの面ではBIOSのチューニングにこだわっています。何カ月もかけて最高のパフォーマンスが得られるようにチューニングしています。また、私の使用しているメモリOCのプリセットを搭載しているので、簡単に私が実際に競技で使っている設定を試す事が可能です。

これらの工夫によってOC Formulaシリーズの製品はメモリーOCの分野で優れた成績を出し続けているのです。

【清水】最後に日本のオーバークロッカーにメッセージを下さい。

【NickShih氏】日本のオーバークロッカーは良いスキルを持っていて非常にレベルが高いです。真面目にOCに取り組む姿勢にプロフェッショナルさを感じます。

そんな日本のオーバークロッカーに、OC Formulaシリーズの製品を気に入って頂けると嬉しいです。そして何よりもOCを楽しんで頂けたら嬉しいです。また、日本のオーバークロッカーからのご意見やアドバイスも頂きたいです。オーバークロッカーの生の声を今後の製品開発に活かしていきたいと考えています。

毎年、新製品の発売時には秋葉原でOCデモをしているので、今年も日本の皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!

今回のシミオシ(清水イチオシの略)

さあ、記事の最後は清水的イチオシ商品を紹介するコーナー“シミオシ”で締めよう!今回の台湾OC紀行は、文字通りOCメインになりグルメを満喫出来なかったのが心残り… またリベンジしたいと思う。

さて、気になる今回のシミオシだが、該当製品である“Z170M OC Formula”が未発売なので、ATXモデルの“Z170 OC Formula”を推したいと思う。

オーバークロックに特化して開発されたマザーボード、OC FormulaシリーズのインテルZ170チップセットモデル。ASRock専任オーバークロックマスターNick Shih氏が開発に参加。オーバークロックに必要な要素へのこだわりが随所に散りばめられています。
取扱終了
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伝説的オーバークロッカー“NickShih”氏が監修しているASRockのOC特化モデル。速さだけでなくと扱いやすさも一級なので、ビギナーからエキスパートまでOCを堪能出来る一枚に仕上がっている。メモリのIC毎に最適化されたプロファイル機能が搭載されているので、難解なメモリOCを簡単に行えるのもポイント。


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ライター

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清水 貴裕

世界的にも有名な日本人オーバークロッカー。液体窒素を用いた『極冷OC』を行い、世界記録を狙う。趣味は釣りとDrums。猫とラーメンをこよなく愛する好青年。2013/2014年のOC世界大会日本代表。
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