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PCメモリー価格動向ピックアップレポート - 2015年8月2週目版

2015年8月2週目のパソコン用メモリーの価格変動レポート。パソコンSHOPアークのデータを元に注目情報や注目メモリーをピックアップ。不透明なインターネットDRAM相場情報とは異なり販売店のPCメモリーブランド、製品価格を軸にアークメモリー担当がなるべくフラットに情報をお伝えします。 今週はお盆休み期間と重なったため、価格変動は全体的に少なかったので代わりに人気PCメモリの半年間の価格推移を調べてみた所、驚愕の結果が。

ビュー: 3876
公開日: 2015-08-15

メモリー相場変動TOPIC

  • サンプリング日:2015/8/12
  • 前回更新(比較)日:2015/7/28

  • サンプリングアイテム数:7429アイテム(前回比+113アイテム)
  • 今週の値下がりアイテム数:113アイテム(前回比-1093アイテム)
  • 今週の値上げリアイテム数:144アイテム(前回比+138アイテム)

  • 今週のアイテム総合平均値動き幅:-10円(前回平均-136円)

  • 今週の値下げアイテムの平均値下がり金額:-1218円(前回平均-818円)

  • 今週の値上げアイテムの平均値上がり金額:+52円(前回平均+120円)

過去一か月の上記アイテム総合メモリー価格推移を表にまとめてみると以下の通りとなった

対象Item数 総合平均値動き幅
8月2週 7429 -10円
8月1週 7353 -94円
7月5週 7316 -136円
7月4週 7289 -45円
7月3週 7273 -177円
7月2週 7271 -217円
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ポイント

8月2週目の価格変動はお盆休みと重なり先週と価格変更なしという代理店、メーカーが多くここ2ヶ月では最も動きが少ない結果となった。

また今回の比較対象期間内にMicrosoftの新OS Windows10やintelデスクトップ用新プロセッサ「Skylake」が発売を開始した事が需要増加に繋がり一時的に価格下落を鈍化させた事も要因の一つとなっている。

総合平均値動き幅を見ると下げ幅平均-10円(変動率-0.08%)と先々週の-131円(変動率-0.71%)から数字上かなり落ち着いているがこれは先に説明した通りお盆休みによる更新無しというメーカー、代理店が多い為だと考えて良い。

値下げ(更新あり)アイテムに絞った場合、変動率は-7.66%、金額幅にして平均-1218円の下げ幅平均となっており値下げトレンドは継続している、ただし下げ要素はDDR4に偏っておりDDR3の値動きは為替分微上げに転じているアイテムも多く見受けられた。

対DRAM相場に価格が追いついた製品は変動幅も少なく推移

7月29日から8月12日までの主な流れ

DDR3、DDR4共にDRAM相場をベースに算出したメモリーモジュール価格に到達した製品は為替の設定差による微額の上げ下げこそあるがほぼ横ばいに推移した。

逆に今回下げ幅が大きかったアイテムは元々最安相場との価格差が大きく、後追いした結果である場合が多かった。

実際今年はどの位値下がりしたのか?2015年2月~8月の人気パソコン用メモリー価格推移

今週はお盆期間という事で半期総括を兼ねて2015年のパソコン用メモリーの価格変動の流れを価格変動が開始された2月から直近の8月までの人気、売れ筋のPC用メモリーをピックアップし、その期間内の価格推移を表にまとめてみた。

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定番のCrucial DDR4-2133 8GBx4枚組 32GB クアッドキット

DDR4は半期を通すと40%~60%の大幅な下落となった。 人気のCrucial DDR4 32GBクアッドキットは春以降価格の下落が加速し、Skylake発売直前には大幅な価格推移となった、その影響か8/15現在では品薄気味となっている。

売価 変動幅 変動率
2月 50780円 0円 -0.00%
3月 50780円 0円 -0.00%
4月 48000円 -2780円 -5.78%
5月 46700円 -1300円 -2.78%
6月 41800円 -4900円 -11.72%
7月 35780円 -6020円 -16.83%
8月 27970円 -7810円 -27.92%
対象期間 期間変動幅計 期間変動率計
2月~8月 -22810円 -44.92%
信頼のMicronチップを搭載したCrucial製DDR4 2133MHz 8GBx4枚組クアッドセット。安心のメーカー永久保証品
取扱終了
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最新のOCメモリDDR4-3000 4GBx4枚組 16GBクアッドキット

DDR4-3000クラスは2014年、秋のHaswell-E発売時の物不足から値上がりした後に発売となった製品が多く、その分下落幅は大きく、ピックアップしたG.Skill社のDDR4 3000MHz 4GBx4枚組では当時の半額以下となる-59.74%を記録した。

売価 変動幅 変動率
2月 43080円 -13500円 -31.34%
3月 40480円 -2600円 -6.42%
4月 33280円 -7200円 -21.63%
5月 30780円 -2500円 -8.12%
6月 29080円 -1700円 -5.85%
7月 26480円 -2600円 -9.82%
8月 22780円 -3700円 -16.24%
対象期間 期間変動幅計 期間変動率計
2月~8月 -33800円 -59.74%
赤色スプレッダタイプのRipjaws4 DDR4-3000 4GBx4枚組モデル、電圧は通常の1.2Voltに対して1.35Volt動作となります。Ripjaws4は専用スプレッダを搭載し通常速度から高速タイプまで幅広くラインナップされたジー・スキルのパフォーマンスシリーズです。
取扱終了
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人気のDDR3-2400 8GBx2枚組 16GBデュアルキット

COSAIR デスクトップ用 240Pin DDR3-2400 8GBx2枚組 16GBデュアルセットはコンスタントに値段が下がり期間計では-37.26%の価格変動となった。 これはDDR3カテゴリのほぼ平均となる数値だ。

売価 変動幅 変動率
2月 22480円 -1300円 -5.78%
3月 22480円 0円 -0.00%
4月 19980円 -2490円 -12.46%
5月 18780円 -1210円 -6.44%
6月 18780円 0円 -0.00%
7月 16740円 -2040円 -12.19%
8月 14920円 -1820円 -12.20%
対象期間 期間変動幅計 期間変動率計
2月~8月 -8800円 -37.26%
Vengeance Proは選別ICチップ搭載しアルマイト処理を施した特殊ヒートスプレッダを採用したintel 第3、第4世代 Core iプロセッサ対応メモリです。
取扱終了
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定番DDR3Lノート用 4GBx2枚組

サンマックス定番のノート用 204Pin DDR3L-1600 4GBx2枚組 8GBデュアルセット、MicronネイティブDRAM採用モデル、この製品も期間計では-35.06%の推移を記録した。

売価 変動幅 変動率
2月 11980円 0円 -0.00%
3月 9980円 -2000円 -20.04%
4月 9980円 0円 -0.00%
5月 9380円 -600円 -6.40%
6月 8780円 -600円 -6.83%
7月 8130円 -650円 -8.00%
8月 7780円 -350円 -4.50%
対象期間 期間変動幅計 期間変動率計
2月~8月 -4200円 -35.06%
Micron DRAM搭載、1Rank 両面8Chip1.35Volt動作タイプの4GBモジュールを2枚セットにした8GB DUALSET
取扱終了
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その他のメモリー集計するとDDR3で3割から4割、DDR4にいたっては4割から6割の値下げ平均となった、半年でここまで下がったメモリーが2015年後半戦どのような価格変動グラフを描く事になるのだろうか。

ピックアップメモリ

先週と今週、輸入系DDR3 メモリーの多くが価格変化なし、もしくは微上げ展開の中で先週比 1000円の値下げとなったサンマックス製240Pinデスクトップ用DDR3 1866MHz対応 8GBx2枚組デュアルチャンネルSETに注目してみたい。

このモデルはDDR3 1866MHzネイティブDRAMを搭載するのはもちろん、モジュールもDDR3 1866MHz対応のJEDEC準拠タイプを採用している正統派のメモリだ。

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また最近はコスト高になるのでサーバーグレードやメーカー純正品にしか実装されなくなってきた電解金メッキも採用、電解金メッキは通常の平メッキタイプよりも格段に通電性を向上させメモリーの動作をより安定させる事ができる、つまりより高品質なメモリという訳だ。

またJEDECに100%準拠した設計により1866MHzでのSPD起動が可能で細かい設定を行なうことなく最適なパフォーマンスを発揮する事が出来る。

デスクトップ用hynixネイティブDDR3-1866タイプのDRAMとJEDEC新制定のDDR3-1866対応モジュールを採用した高速クロックモデル、SPD CL13-13-13 1.5Volt
取扱終了
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海外ブランドの同速度モデルと比べると若干割り高だが、メーカーによる国内5年保証とショップによる相性保証1ヶ月がつき、かつ送料無料対象と低価格化が進んだ現状の価格差なら是非一度使ってみてもらいたいオススメのメモリーだ。

今後の注目ポイント

Skylakeの発売タイミング以降、以下の変化(効果・影響)が出てきている。


  • モジュールメーカーの製造が追い付かないケースが出てきた(需要増加)
  • Skylake発売に合わせてDDR4の製造を本格化したメーカー、ブランドが出てきた(供給増加)
  • Skylake発売に合わせて新規にDDR4メモリー製品を投入するメーカーが出てきた(旧相場に影響せず低価格で提供開始できる)

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DDR4に関してはSkylake市場投入効果による需要増加が久々の上げ要素となったが、実際には下げ止まるレベルとなっている。現時点でいくつかのDDR4搭載製品はモジュールの製造と検査が注文に対して追い付いていない。 これは現状の相場が受け入れられ、かつ、需要が上がっている事を結果的に証明しており、一時的な可能性もあるが需給バランスの均衡が保たれている状態になったといえる。

DDR3に関してはワールドマーケットで見た場合、PCの採用メモリの大半まだそれであり、Skylakeの発売がDDR3の相場を短期的に大きく押し下げる可能性は少ないと考えられる。

ただし中期的に見た場合、DRAMメーカーの生産及び出荷量がマーケットの消化スピードとかみ合うか否か、つまり折り合いが付かなければ引き続き価格は下落方向に進んで行く可能性も十分にある。

DDR3 / DDR3L、DDR4のどちらにせよ価格推移からは目が離せない現状が続きそうだ。

関連情報

TEXT: Ark Tech & Marketニュース 編集部 石井克朋

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ライター

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編集部 アーク石井

パソコンSHOPアークにてPC用メモリーバイヤー兼、管理職も勤める。 スキーとギターをこよなく愛す。アキバ歴23年を活かしたショップ視点でのメモリー関連の記事を主に担当している。