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SilverStoneが放つ、エレガントな静音ミドルタワーPCケース「Kublai KL07」 - レビュー

SilverStone TechnologyのPCケースラインナップ2016年開発モデルの中から、オープンベイを排除しインテーク部分から正圧エアフローを再定義することで高い静音性と冷却効率を実現したミドルタワーPCケースの新作「KL07」が10月15日より発売を開始。 編集部にもサンプルが届いたのでアーク流ではあるが検証を行ってみた。

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公開日: 2016-10-29
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KublaiシリーズKL07を検証してみた

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初見で「おっ」となるシンプルで好感の持てるデザイン、ある意味SilverStoneらしくないかもしれない。

SilverStoneといえばアルミニウム製PCケースをいち早く量産化し、ニッチなHTPCや煙突構造など奇抜なコンセプトを武器に他社とは一線を画した製品を投入するメーカーだが、今回紹介する「KL07」は今どきの人気な正当派スタイル、言ってしまえば真面目なPCケースだ。

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過去のKublaiシリーズ、いずれのモデルも拡張性、その中でもストレージの増設力を重視していた。 シリーズ最新作となるKL07ではシステム構成の進化に合わせオープンベイを思い切って排除、静音性や水冷対応強化を含めた総合バランスを重視する方向に。

KL07」はSilverStoneの内部レイアウト効率を重視しながらその時代のニーズに合わせた機能をワンポイント付加する実用性の高い「Kublai」シリーズに属するミドルサイズタワー型のPCケース。 正確にはKublai KL07Bでカラーがブラックなモデルだ。

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その「KL07」だが、今回はシリーズコンセプトである「拡張性」の内容、フロントデザインを含む外観の見直しを軸に、「静音性」をワンポイントテーマに盛り込み開発、さらに要所に同社の先進機能を盛り込む事で最新のハイスペックPC構築に対応するトレンドなケースに仕上がっている。

次に「KL07」の具体的な特長をチェックしてみる。

製品特長、基本スペック

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まずは「KL07」の特長をコンセプト毎に以下にまとめてみた。

デザイン


  • フロントマスクに癖の無いソリッドなデザインを採用
  • オープンベイを排除
  • ボディーにSECC0.8mmのスティール、フロントにプラスティック素材を採用
  • フロントSilverStoneのメーカーロゴが控えめになった
  • ボトム電源設計にカバーを採用した分離構造によるスマートな見栄え
  • 裏配線設計でケース内部を整理

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静音性


  • 特性の吸音波状フォームを両サイド、トップ、フロント各プラスティックパネル裏面など4箇所に装備
  • 合計3基(フロントx2 リアx1)の14cm静音ファンを標準搭載
  • 前面吸気、背面排気による正圧エアフローによる静音性と安定した冷却能力の確立
  • 音の減衰効果を実現するサイドエアインテーク設計のプラスティックフロントカバーを採用
  • 4か所の支点(足)部分にも振動吸収素材を採用

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拡張性


  • 最大388mm長のグラフィックスカードが搭載可能
  • 最大360mmのラジエターに対応し大型水冷システムの構築が容易に
  • 最高163mmまでのCPUクーラーが搭載可能、また裏面からのアクセスが容易に可能。
  • フロント(トップ)部分にUSB 3.0Type-Cコネクターを標準搭載
  • 3.5インチ(もしくは2.5インチ)x3と、2.5インチ専用 x3のストレージベイ

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基本スペックは以下の通り

製品名 SST-KL07B
メーカー SilverStone
シリーズ Kublai KL07
カラー ブラック
材質 プラスチック製フロントパネル、スチール製ボディー
対応マザーボード ATX(最大30.48x27.94mm)、Micro-ATX
ドライブベイ 外部:なし(搭載不可)/ 内部:3.5インチ x3(2.5インチ互換)、2.5インチ x3
冷却システム 前面:140mm吸気ファン x2搭載(スロットは120mm x3もしくは140mm x2取付対応)
背面:140mm排気ファン x1搭載(スロットは120mm/140mm取付対応)
トップ:120mm x2もしくは140mm x1ファンスロット
拡張スロット 7
フロント I/O ポート USB 3.0 x 2、USB3.0 Type-C x 1、Audio x1、MIC x1
電源 別売(ATX 140~200mm)
グラフィックスカード 388mm長のグラフィックスカードに対応(幅の制限は165mm)
CPUクーラーの限度 163mm(吸音フォーム含む)
実重量 7.7kg
寸法 222mm(W) x510mm(H) x467mm(D)、52.8リットル
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カタログスペックにおいてはオープンベイの排除によるスッキリした密閉型フロントパネル、裏配線設計や電源カバー、フロントUSB3.0 Type-Cコネクターなど、今どきの機能を実装しつつSilverStoneらしからぬ癖の無いソリッドなデザインを採用し、PCケース市場の他社製人気ケース対抗馬として十分期待できそうである。

次は開封から要所をチェック、写真を通して紹介してみる。

開封チェック

まずは開封、全分解

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梱包はいつも通りの茶箱に発砲スチロールで保護されている。
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分解してみた、最小限の部品点数で収めている。

開封後まずは全分解してみた、写真をみるとお判り頂けると思うがダストフィルター3点を含めても部品点数はかなり少ない。 実際分解から組み立てまで数分で済みメンテナンス性の高さを体感する事が出来た。


吸音素材は4箇所に貼り付け

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両サイドにももちろん採用
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フロントとトップ裏にも吸音素材を使用
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吸音素材は担当が選定時にこだわったという

吸音素材はEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)を採用し、面の大きな4箇所のパネル裏面に貼り付けられている、メーカーに聞いた限りでは効果は絶大で「有り無しでかなり変わる」との事、音を抑えるだけでなく対振動にも効果があり、KL07の静音コンセプトの主役といっても良いかもしれない。


防塵フィルターは3箇所

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フロントはマグネット固定方式を採用
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筐体トップフィルターは挟み込む形
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電源下部にもフィルターを装備

アークサポートの統計によると使用開始から1年以上経過したPCの故障原因の実に半数が「ほこり」がたまった事による冷却能力の低下、というデータがあり、防塵フィルターはかなり重要であるといっておきたい、KL07は要所に装備されているのでほこり対策がとれたケースという面でもオススメできる筐体だ。

ここでひとつのポイントとして、上記の写真からフィルターがすべての空気出入り箇所には設置されていない事が気になった読者もいるかもしれない。これはコストダウンのための削減…ではなく、正圧エアフロー設計の特性からくるものだ。 正圧エアフロー効率性についてはもう少し先で掘り下げてみたい


その他のチェックポイント

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ストレージはネジ不要で簡単に装着可能
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フロントのコネクターケーブル各種
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可動式のI/O固定ギミック搭載

その他、ドライバーレスストレージマウントベイや一括でI/O関連を固定する可動式のストッパー裏配線スペースなど随所に組みやすさ、メンテナンス性を高める工夫が施されている。


ここまでのチェックでネガティブに感じた部分は、下部に設置されている電源、ストレージとマザーボード、システム部分を区切っているカバーが固定式である事、これは用途によっては取り外せた方が個人的には好ましいが、メーカーが推奨する正圧エアフローを正しく活用するためには仕様がないのかもしれない。

またフロントパネルがプラスティックなのは今どき一般的なので気にならなかったが、固定方式が穴にはめ込むだけで、取り外し時に勢いよく「ガバッ」とチープな着脱感があり少し雑な感覚を覚えた。

I/Oパネルの一括コントロールについては意見が分かれる所だが個人的には好きなスタイルだった、それ以外は概ね良いフィーリングを得た。

内部構造チェック

KL07最大の特徴の一つ、エアフローをチェック

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今回も正圧エアフロー方式を採用

KL07はシステム(マザーボード)部を標準搭載された14cmファン3基(フロント2基の給気とリア1基の排気)によるSilverStoneお得意の「正圧エアフロー」方式を採用している。

最初のポイントとして、KL07は給気をフロントパネル正面ではなく、パネルの両サイドに開けた穴(エアインテーク)経由で行うにより システムの使用者が体感する給気音を削減しているとの事。


まずここで筆者が思ったのが実際にPCを設置する場合大抵自分の真正面ではない、具体的に言えばモニター(自分)を中心に左右どちらにずれた場所に設置する場合が多い。 つまりエアインテーク左右独立のスライド式シャッターみたいなものを付けてくれたら自分側のインテークを閉じ、さらに静音な感じを高められるでは? と、考えてみたものの素人アイデアなので実際にやってみたらどうなるのか気になってしまった。 どうなんでしょうケースメーカーさん?(チラッチラッ


次に内部構造、電源ユニットは固定式のカバーによりシステム部と区切られ、独立したエアフローを確立した2ブロック構造。 ストレージはフロントのインテークがシステムと共有されているが、標準搭載されたフロントファン2基はどちらもシステム冷却専用の配置になっている。

これは恐らく搭載する2.5インチ、3.5インチストレージの熱量が少なく、自然冷却で十分と考えての配置ではないかと推測するが、これについては後の検証の温度変化などを参考にこの配置の是非を判断してもらえれば幸いだ。

つまりKL07はシステムと電源の冷却を重視した初期エアフローと設定を持ち、最新のシステムを得意の正圧エアフローにより冷却するという訳だ。

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チェックポイント:「標準搭載ファンの詳細スペック」

正圧エアフローを正しく活用できる様、ファンユニットはフロント2基、リア1基の合計3基すべてがSilverStone製の140mmサイズの大型、静音タイプ標準搭載されている。 主なスペック以下の通り。

  • 回転数「最大1000rpm」
  • ノイズレベル「16.5dB-A」
  • 風量「69.6CFM」
  • 風圧「1.2mm-H2O」

と、ここまでの記事内にかなり記載されていた「正圧」エアフローというワード。 それってそもそも何? という読者は次の「正圧エアフローとは?」を是非チェックしてみてほしい。 既に知っている場合はその次の「検証編」へ。

正圧エアフローとは?

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正圧エアフローとは、ハイテク機器製造、医療、食品加工業などの作業場に作られる「クリーンルーム」のほこりが部屋に入るのを防ぐための正圧環境をPCケースにフィードバックしたもの。 主なメリットとしては給気と排気による一方通行の空気の流れを作ることでファンフィルタは原則給気部分のみの設置で済み埃もたまりにくい。 また、空気の流れのぶつかり合いによるノイズの発生や非効率的なエアフローの相殺を防ぐなど、地味ながらもかなり重要な効果が得られるシンプルだが合理的な方式だ。

SilverStoneは2007年、今から約10年前よりいち早く自社のモデルにこの方式を「真面目」に盛り込んでいる。

というのも、正圧環境を正しく構築するには、ただ一定方向に給排すれば良い訳ではなく「給気ファンの総合的な気流が排気より大きくなければ正圧が生成されない」といった条件を満たす必要があり、ここまで考えた上で初期搭載ファンを配置しているケースは意外と少ない。

KL07はそういった意味で正しい「正圧エアフロー」を初期構成で実現できるケースとなる。

▼ 正圧エアフローについての参考リンク

電源ユニットはケース下部より給気、後部より排気する独立設計となっており安定したエアフローが行える。

唯一の懸念点として上げておきたいのは、ストレージがエアフローから置き去りになっている点だ。 標準装備のフロント14cmファンx2の設置ポイントではストレージ(3.5インチ)が置かれる裏側には風が送られず、発熱の高いストレージを搭載する場合は別途冷却対応が必要となりそうだ。

USB Type-Cコネクターをテスト

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本製品の特長の一つ、フロント(トップ)アクセス部分に搭載されたUSB Type-Cポート。

実はケーブル自体はUSB3.1 10Gbps「SUPER SPEED PLUS(Gen2)」に対応している、との事だが、とりあえずは現行のマザーボードに一般的に搭載されているUSB3.0フロント用19ピンヘッダーを用いてSanDisk Extreme 900 Portable SSDシリーズ「SDSSDEX2-480G-G25」を接続し速度を測定、テスト結果は以下の通り。

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結果は上のベンチマーク画像の通りまずまずの転送速度となった、フロントに搭載されたType-Cは安心して使用できそうだ。

ただしKL07搭載のフロントUSBポートはType-A x2ポートで1ユニット、Type-C x1ポートで1ユニット、19ピンヘッダーは2つある為、マザーボードがフロントアクセス用の19ピンヘッダーを2つ搭載したモデルでないと両方のフロントUSBポートは活用できないので留意しておきたい。

人気ケースR5と比較してみた

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折角の検証機という事で、アーク編集部なりに比較検証を行ってみた。

相手は某価格比較サイトで人気TOP3常連の人気ケース「Define R5」、今回は同スペックのPCをKL07とDefine R5を使って構築し起動後からゲームベンチを回し、終了後一定時間をおいた5つのポイントの温度をそれぞれモニター、比較する事で冷却能力を計ってみた。


比較検証その1:「そこそこ負荷


GTX1070シングル検証スペック

  • ケース:Kublai KL07 / Define R5 Black Pearl
  • CPU:intel Core i7 6700K BX80662I76700K
  • COOLER:Scythe SCKTT-1000 虎徹 KOTETSU
  • M/B:ASRock Z170 Extreme4 (USB3.1 Type-C)
  • MEMORY:SMD4-U16G28H-21P-D D4 2133 8GBx2SET SKhynix
  • VGA:ASUS STRIX-GTX1070-8G-GAMING GTX1070
  • SSD:Crucial CT250MX200SSD1 250GB MLC
  • HDD:TOSHIBA DT01ACA200 2TB 7200RPM
  • PSU:Cyonic AU-650X 650W
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内容:GTX1070シングル搭載におけるケース内温度推移テスト

ベンチマークレギュレーション

  • 温度計の温度が変化していないか逐一監視

サイドパネルを開放してしまうとエアフローが変化してしまい、実際に使用した場合と結果が異なることがあるため、対策として包装ラップをサイドパネル代わりに使用。

この際にはサイドパネルと包装ラップの熱伝導率が異なるため本来の結果との差異は生まれることに留意 また、吸気、排気に関する部分には干渉しないよう徹底

  • マザーボードのファンモードはスタンダード
  1. 電源OFF状態
  2. OS起動から3分
  3. OS起動から10分
  4. ベンチマークを実行させる前
  5. ベンチマークを実行し30分経過
  6. ベンチマークを終了させデスクトップでアイドル状態で5分経過
  7. ベンチマークを終了からデスクトップでアイドル状態で10分経過(5から5分後)
  • 使用ベンチマーク

ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク

最高品質:1280x720(温度をモニターするため)

サーモセンサーでざっくりチェック

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検証結果データ詳細

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温度変化を比較

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比較検証その1:結果分析

まず、テストの結果として、測定温度的にはDefine R5が低く優位な結果となり、負荷時とアイドル時の温度変化はKL07が大きな数値となった。

このデータから判断するとエアフロー自体はKL07が優秀だがDefine R5はケース自体放熱性がKL07より勝っている事になる。

理由としてはいくつか考えられるが、まずR5は重量が約10.7Kg、対してKL07は7.7Kgwと3Kgの差がある、この差の割合が鉄の使用量によるものであることは明白で、ケースをヒートシンクとして考えた場合R5にアドバンテージがある、次にKL07に装着された吸音シートがケース自体のヒートシンク効果を弱めてしまっている可能性が高い。

また、検証環境の部屋内温度が23度と低めな事や、負荷設定が通常使用時を想定しそこまでストレスをかけなかった事などが結果を左右した形となった。

しかしこの結果ではどちらも温度は使用するには十分すぎるほど低く、比較データとしては判断し難いと考え、急遽GTX1070をもう一枚追加、つまりSLI構成にてベンチマークアプリと負荷レベルも引き上げた設定で追加テストを行ってみた。


比較検証その2:「がっつり負荷


GTX1070 SLI検証スペック

  • ケース:Kublai KL07 / Define R5 Black Pearl
  • CPU:intel Core i7 6700K BX80662I76700K
  • COOLER:Scythe SCKTT-1000 虎徹 KOTETSU
  • M/B:ASRock Z170 Extreme4 (USB3.1 Type-C)
  • MEMORY:SMD4-U16G28H-21P-D D4 2133 8GBx2SET SKhynix
  • VGA:ASUS STRIX-GTX1070-8G-GAMING GTX1070 x2(SLI Mode)
  • SSD:Crucial CT250MX200SSD1 250GB MLC
  • HDD:TOSHIBA DT01ACA200 2TB 7200RPM
  • PSU:Cyonic AU-650X 650W
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内容:GTX1070 SLI環境時におけるケース内温度推移テスト

ベンチマークレギュレーション

  • 温度計の温度が変化していないか逐一監視

サイドパネルを開放してしまうとエアフローが変化してしまい、実際に使用した場合と結果が異なることがあるため、対策として包装ラップをサイドパネル代わりに使用。

この際にはサイドパネルと包装ラップの熱伝導率が異なるため本来の結果との差異は生まれることに留意 また、吸気、排気に関する部分には干渉しないよう徹底

  • マザーボードのファンモードはスタンダード
  1. 電源OFF状態
  2. OS起動から3分
  3. OS起動から10分
  4. ベンチマークを実行し10分経過
  5. ベンチマークを終了させデスクトップでアイドル状態で5分経過
  6. ベンチマークを終了からデスクトップでアイドル状態で10分経過(5から5分後)
  • 使用ベンチマーク

FUTUREMARK:3DMark

ストレステスト10分

サーモセンサーでざっくりチェック

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検証結果データ詳細

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測定温度、温度変化それぞれを並べて比較してみた

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一応グラフ化してみた

なんとなく分ってはいたが、数字的にあまり差が離れていないため、以下のようなグラフとなった。 次回はもう少し上手な表現方法を考えてみたい。

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比較検証その2:結果分析

今回はがっつり回してみた効果もありCPU、GPU、マザーボード、ストレージそれぞれ特徴的な数値となった。

まず懸念していたKL07のストレージの冷却についてはある一定の温度までは上昇したが以降は落ち着いた、そもそも温度自体も十分低いので問題はないのだが。 しかし強いて言わせてもらうならR5のストレージ温度はベンチマーク後2℃ほど下がっていたがKL07は下がらなかった、という結果についてはやはりKL07のストレージエリアにエアフローが(ほぼ)ないが故という事は覚えておきたい。

次に興味深いのはGPU温度、平均化した温度ではKL07のほうが3℃ほど高いが、GPU1と2をそれぞれ見た場合R5は2枚のGPUの差が極端に開いてしまっていた、これは少し心配な温度差だが、KL07は2枚の温度差は少なく安定したSLIエアフロー環境という意味ではKL07が優れているといえるかもしれない。

その他CPUやM/Bでもそれぞれ特徴的な結果を示しているので参考にしてもらえれば幸いだ。

かなり長くなってしまったが、この結果を用いてようやくこのレビューの最終章、まとめと総評へ。

▼ 一応PR、今回検証に仕様したケースはこちらから購入可能です。

SST-KL07B
税込価格: 11,550円
詳しく見る

KL07レビューまとめ

アークBTOストアでは今回の検証と同じ構成のBTOパソコンを新たにラインナップ。 興味のある読者は下記の販売ページも是非チェックしてみてほしい。

【デザイン】

  • +評価:飽きの来ないソリッドでシンプルなフロントデザイン。
  • -評価:フロントがプラスティック素材なりの質感。

【サイズ】

  • +評価:縦長で奥行きを短めにしているのが好感「ジャパンフィット」
  • -評価:特になし

【拡張性】

  • +評価:USB3.0 Type-Cをフロントに搭載しスマホや最新のモバイルデバイスとの親和性が向上している。
  • -評価:USB3.0 Type-Aもフロントに搭載しているがType-Cとどちらも19ピンヘッダーで、通例マザーボードは19ピンは1ポートしかない場合が多くどちらかしか使えない(リアからのバイパスなどに対応してほしかった。)

【放熱性】

  • +評価:マザーボード部分のクリアリングが確保され理想的な正圧エアフローによる効率的な冷却を実現している。
  • -評価:初期のファン搭載位置では2.5、3.5インチストレージの冷却が置き去りな点、ただし今どきのSATAクラスの発熱レベルであればまったく問題はない。

【メンテナンス性】

  • +評価:ストレージ、電源をシステムと分けたセパレート設計とケーブルマネージメントで初期組み込み時だけでなく、アフターメンテナンス時の各所アクセスも良好。
  • +評価:ダストフィルターへのアクセス、メンテナンスがし易い。
  • -評価:フロントパネルの固定方法がチープな感じがする、が、この固定方法は振動を抑える効果もあるため、実用的には問題ない。

【作りのよさ】

  • +評価:最近のシルバーストーン定番の0.8mm SECCだが静音フォームで上手くカバーし、プラスティックを織り交ぜ系強化しつつ静音性を高めている点は評価。
  • -評価:下部のマザーボードと電源、ストレージを仕切るセパレートカバーは着脱式にしてほしかった。

【静音性】

  • +評価:人気メーカーの同価格帯静音系ケースに引けを取らず中々の静音性を実現できる力を有している。 ただし、活かすも殺すも構成次第。
  • -評価:特にないが強いて言えば標準搭載ファンを最新技術系のものにしてもらえればもう一段階静音性が向上出来たのかも。
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【総評】


総合的に評価するとKL07は外部要因の影響を受けにくく、一定のエアフローによる安定した冷却能力を発揮するケース。 静音性を高めるため吸音シートを貼った分ケース自体のヒートシンクとしての効果は若干低下している。

対してR5はケースの金属部分をヒートシンクとして活かすタイプなので室温など外部環境に依存する傾向にある、ハマればかなり優れた性能を発揮するが、温かい環境や温度が飽和してしまった際に熱処理が追い付かなくなる可能性は否めない(初期搭載ファン構成、ファンパフォーマンススタンダードの場合)、とはいえ今回の検証で改めてR5が人気製品であるだけのケース性能とバランスの良さを感じた事は言っておきたい。

最終的にSilverStone Kublai KL07は、PC稼働時間の割り多くを長時間高い負荷をかける3Dゲームのプレイや動画編集などをするユーザーにオススメなミドルタワーATXケースだった。


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ライター

編集部 アーク石井

パソコンSHOPアークにてPC用メモリーバイヤー兼、管理職も勤める。 スキーとギターをこよなく愛す。アキバ歴23年を活かしたショップ視点でのメモリー関連の記事を主に担当している。