ドイツのゲーミングデバイスメーカー「ROCCAT」がリリースしたテンキーレスゲーミングキーボード『Ryos TKL Pro JP MX Red』。
今回はこのキーボードの特徴を、実際の使用感覚を交えながらお伝えしたいと思います。</p>
「Ryos TKL Pro JP MX Red」は
・外側の化粧箱
・内側のキーボード収納箱
・キーボードカバーブリスター
・製品簡易マニュアル
の4つと至ってシンプルな構成だった。
裏面はUSBケーブルを這わせるための溝が4方向へと延びており、自由な設置のしやすさを向上させる工夫がみられる。やや大きめのラバー足が四隅についており、スタンド部もラバー素材が使われグリップ力を追及している。
USBケーブルは絡まり・引っかかりを防ぐ布スリーブタイプで長さが約1.8メートルある。 端子部は残念ながら特に金メッキ加工などは施されていない。
【本体寸法】23mm×40.4cm
【重量】1.25kg
(公式ページから引用)
正直なところ、テンキーレスキーボードとしてはかなり大型の部類に入る。
元となった「Ryos」からは、テンキー部分はもちろん、左側に配置されていたマクロキー部分も無くなっているため狭まっているとはいえる。
が、それでもフレームの縁が太く、また着脱できないリストレスト部と、スペースキー手前のマクロキースペースにより奥行きもある。
一般的なテンキー有りコンパクトキーボードと比べてしまうと、ほぼ同幅となった。設置場所の関係で、コンパクトなものを望まれるユーザーにとってはやや大きすぎるかもしれない。
だが一方で重量と大きさによる安定性は抜群で、ラバーグリップと相まって操作中にズレる心配は少ない。
・CHERRY MX キー採用(赤軸)
・アドバンスドアンチゴースト、Nキーロールオーバー対応
・ポーリングレート:1000Hz
・デュアル32bit ARM Cortexプロセッサ+2MBフラッシュメモリ搭載
・最大470種類のマクロを格納可能
(公式情報を引用)
サムキーを除いた全てのキーが、Cherry MX赤軸キースイッチを搭載している。
赤軸の特徴として押し下げ抵抗が非常に軽く、あまり力まず軽く打鍵したい方に向いている。独立したマルチメディアキーは搭載されていないが、ファンクションキーに機能が割り当てられているため、Fnキーを押しながら操作することが可能だ。そしてこれらがアドバンスドアンチゴーストと呼ばれる機能に対応しており、最大約30キーの同時押しが可能となっている。
マクロキーは3つあり、全てスペースキーの手前に配置されているため、指をホームポジションから離すことなく親指のみを使って楽に操作することができるよう工夫されている。
CapsLockキーにはRoccatおなじみの「EasyShift」機能も割り当てられている。
後述の専用ソフトウェアであらかじめ設定しておけば、ここを押しながら別なキーを押すことで任意の入力ができるので、ほぼすべてのキーにセカンダリ機能を割り当てることができる。(例えばEasyShiftを押しながら"1"キーを押せば、事前に組んだ「マクロA発動」など)
設定ソフトウェアは専用のドライバーソフトウェアをインストールする必要がある。 基本各項目は英語表記となっているが、ソフト自体は一応日本語に対応しており、知りたい項目にマウスカーソルを合わせると左下に日本語の解説が出る仕組みとなっている。 項目の文字は小さく正直一覧性が低いのが難点だが、マクロはもちろんEasySiftキーの割り当てや特殊キーのON/OFF、LEDバックライトの明るさ調整など1ページ目だけでも多肢にわたる。
その他アプリケーションごとのキーアサイン登録や、LEDバックライトのイルミネーションパターン登録などが可能だ。
…そして謎のステータスページがある。キー入力回数などの統計情報が表示されるのだが、どうやらある特定の条件を満たすとトロフィーがもらえるらしい。
コンプリートや実績解除が大好きな方はチャレンジしてみてはいかがだろうか。
そしてこれらの制御は搭載された2つの「32bit ARM Cortexプロセッサ」によって行われ、2MBのフラッシュメモリにすべて保存される。登録可能なマクロはなんと最大で470個。もし持ち運んだり新調したパソコンにつなげることになっても、一から設定することなくすぐさま今まで通りの操作が可能となる。
現在私は別メーカーの赤軸キーボードを使用しているのだが、同じ赤軸でもメーカーごとに癖があるようで、「Ryos TKL Pro」は比較的抵抗感が強めに感じた。逆に言ってしまえばゲーム中に力んだとしても、誤爆する心配がいらないのは個人的にはうれしい。 (ゲームで緊張したシーンではついつい意図しないキー入力をしてしまうことがあった)
スペースバーは長さがあるタイプで押しやすいのだが、その更に手前に配置された三つのマクロキーはフラットすぎて正直指の感触だけではわかりずらいと感じた。市販の滑り止めシートなどを張り付けて判別しやすくすれば改善するかもしれない。
テンキーレスモデルでは珍しい大きなリストレストだが、こちらは私が今までずっとリストレスト付きキーボードを使用してきたのでかなり使い勝手を良く感じさせてくれた。
メインキーはメカニカル軸なだけあってしっかりした打鍵感があり、決してちゃちな造りとはなっていない。メーカー公称値では約5000万回のキー入力耐性を誇る。
こんな方にオススメ! or 合わないかも?
○テンキーは要らない方。
⇒高機能なゲーミングモデルが欲しい方。
⇒ある程度の大きさがないと快適に使えない方。
⇒リストレストが欲しい方。
⇒オンボードメモリとマクロキーが付いたモデルが欲しい方。
○ドイッチュランド!
×コンパクトなサイズじゃないとデスクスペースが厳しい方。
×キーの押し下げ圧が重い方が好みな方。
×専用ソフトウェアをPCに入れたくない方
テンキーレスという本来のコンパクトなイメージを持っていると肩透かしを食らうサイズだが、反比例するように扱いやすさは中々のものだった。少ないキー数ながらも、マクロキーだけでなく「EasyShift」機能を応用することでキーアサインやショートカット、マクロを実行できるのも強みだろう。
他にもソフトウェアが扱いにくいなど歯がゆいところもあるが、ややコンパクトなMMOゲーム/作業用キーボードとしても候補に挙げられる製品だといえる。