
発売から1年、ゲーム向けUSB接続サウンドユニット「ZOWIE VITAL」 - アークSTAFF「M君」追加レビュー
ハイクオリティのままイコールコンディションを実現する話題のゲーマー向けUSBサウンドカードBenQ ZOWIE「VITAL」。アキバのPCゲーム専門店アークのスタッフM君が販売後しばらく使用した感想や、そしてドン勝を軸に抑えるべき設定などをまとめてみた。
VITALはいいぞ

2016年12月、ゲーミングマウスをはじめプロご用達ゲーミングデバイスブランド「ZOWIE(ゾーイ)」から発売され話題になったPCゲーマー向けの外付けUSBサウンドシステム「VITAL(バイタル)」を覚えているでしょうか?
FPSが大好きな筆者も発売直後に早速購入し今でも使っているのですが、その間に分かった事や気になった事などがあり、今回は追加レビューとして、個人的な使用感などを中心にお伝えします。
VITALの仕様・詳細
VITALについての基本的なレビューについては、アークのオーディオマニア「STAFF Y」氏のを参考にしていただければと思います。

ただのドライバレスでは無い
そもそもUSBサウンドカードと言えば、イコールコンディション(プレイするPCや場所に関わらず同じ音質、音響効果など)を実現できる事を目的に購入するユーザーが近年増加しています。
理由としては、自宅のデスクトップなどのプレイ環境をカスタマイズし過ぎてしまうとオフライン大会やネットカフェなどでプレイする際に違和感が出てしまい実力が発揮できないといった課題があり、その中でもゲーム中に聴こえる足音や銃撃音などが再生する音源によりかなり聴こえ方に差がでてしまうのです。
その課題を補う方法のひとつが再生する音源を外付けのUSBユニットにする事なのですが、近年のUSBサウンドカードは機能、性能こそ向上していますが、基本的にドライバとソフトウェアを入れないと使用の際に機能が制限されたり、使えなかったりなど、多機能ならではのソフトウェア依存がある事が多いです。
例えば、CorsairやRazer、Steelなどの定番USBヘッドセット(厳密にいうとUSBサウドカード付ヘッドセット)などは専用のソフトウェアをPCにインストールする事で好みのイコライジングやエフェクトなどを設定できる、Kingston HyperX Cloud USBはドライバレスだが初期プリセット以外には設定が出来ない。
しかし「VITAL」の場合、ドライバレス駆動は当然な上に、ソフトウェアをインストールしなくてもハードウェアレベルでイコライジングなどの設定が可能です。
その中で一番驚いたのは、Windows 7でも24bit 96000hzでの再生が可能なところです。
本来、ドライバレス駆動と書かれているデバイスは、基本Windowsの汎用ドライバを利用して動作するのですが、Windows 7に搭載されているサウンド用の汎用ドライバは、24bit 48000Hzまでしか対応していないはずなのですが、VITALの場合しっかり96000Hzまで対応しているのには驚きました。(Windows10であれば汎用ドライバでも24bit 96000Hz出力できます。)
恐らくVITALに内臓されているROMにVITAL用のドライバが入ってる為、出来る事なのではないかと思います。
すごくすごいです。
詰まる所、各社がラインアップしている「USB接続ヘッドセット」よりも、自分のお気に入りの「アナログステレオヘッドセット」と「VITAL」の組み合わせが勝利への方程式といっても過言ではないという事になります。
イコライザもいいぞ


VITALのもう一つの特長、ハードウェアレベルでのイコライジング
VITALのイコライザは製品写真をみるとTre(高音)とBas(低音)ボタンのみしか実装されてませんが、TreボタンとBasボタンを同時押しする事で中音域も弄ることが出来ます。

基本的にFPSの場合はキャラクターの足音等は高音域である事が多いので高音を強めに設定すると良いのですが、最近流行りのゲームPLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS(PUBG)だと足音以前に環境音が大きいので、環境音である中音域を少し削って調整すると個人的には丁度良くなります。
しかしイコライザの設定が一つしか保存できない為、複数のゲームでイコライザを変えてプレイするユーザーには不便かもしれません。
ただ基本的には、手元でササっと変更が出来るのと基本的にイコライザは使いまわしが出来る様に設定する為、個人的にはあまり不便に思ったことが無いです。
まとめ



外付けUSBサウンドカードで、よく問題点に上がる「音の遅延」も個人的に全く気にならないレベルですし、イコライジングを含めたサウンド設定を全てVITALだけ(ハードウェアレベル)で済ませる事が出来るのは、かなり便利だと思います。
VITALが基本ステレオ(2ch)対応である事だが、現状のe-Sportsタイトルをプレイするのであればステレオ以外での設定はあまりおすすめできない。(ゲームが未対応であったり7.1ch設定があってもチューニングが不十分など個人的には感じている)
ただ、もし映画鑑賞などマルチchが必要な場合、Windows 10であれば、バーチャル7.1機能を搭載しているので、それを使えば解決は出来る。
強いて欠点をあげるとすれば、イコライザの保存可能数が少ない位ではないでしょうか。
ZOWIE VITALは、イコールコンディションを自分好みの音域で実現できる現状唯一のUSBサウンドシステム(USB外付けサウンドカード)なのです。
値段は高いですが、コダワリの外付けUSBサウンドカード「ZOWIE VITAL」を次期PCサウンド環境の候補に挙げてみてはいかかでしょうか。
製品仕様
製品名 | BenQ ゲーミング オーディオシステム Zowie VITAL プラグ&プレイ設計 |
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メーカー | BenQ |
ブランド | Zowie |
型番 | Zowie VITAL |
発売日 | 2016年12月20日 |
本体カラー | ブラック |
製品サイズ(横/縦/厚さ | 100 x 60 x 20mm |
製品重量(g) | 約110 |
入力サンプリングレート | 16bit/96kHz |
出力サンプリングレート | 24bit/96kHz |
入力端子 | モノラルマイク端子(3.5mm) |
出力端子 | Stereo Audio Line-out(3.5mm) /ステレオヘッドフォン端子(3.5mm) |
インターフェース | USB(PC接続部分:TypeA) |

ZOWIE(ゾーイ)について
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