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5.2Ghz超え!?第6世代Intel®Core™シリーズ“Skylake”を速攻OCテスト!

解禁されたばかりの第6世代Core™プロセッサ“Skylake”をオーバークロッカー 清水 貴裕が速攻レビュー。Core™ i7-6700Kを使用して、空冷環境の限界に迫る。

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公開日: 2015-08-05

遂に登場した“Skylake”こと第6世代Core™プロッサ

第6世代Core™プロセッサ“Skylake”が8月5日(水)21:00より解禁された。今回発売されたのは、Core™ i7-6700K(4C8T、4.0GHz)とCore™ i5-6600K(4C4T、3.5GHz)の2製品で、ともにOCに対応した倍率アンロックモデル。

DDR4メモリのサポートや、Haswell世代で採用されていたiVR(CPU内蔵電圧レギュレータ)の廃止など気になる変更が目白押しの同製品だが、どれ程のOC耐性を持っているのかは気になるところ。早速だが、最上位モデルのCore™ i7-6700Kを(ぶっ壊れない程度に)テストしてみた。

項目 使用パーツ
CPU Intel® Core™ i7-6700K(4C8T、4.0GHz)
マザー ASUSTeK MAXIMUS VIII HERO(Z170、ATX)
メモリ Crucial BALLISTIX(DDR4-2400、2×4GB)
ビデオカード ASUSTeK MATRIX-GTX980-P-4GD5(GTX980、4GB)
電源 CoolerMaster V1200 PLATINUM(1200W、80PLUS Platinum)
ストレージ CORSAIR Neutron GTX 240GB(SATA3、240GB)
CPUクーラー CORSAIR H90(140mmラジエータ簡易水冷、14cm角ファン×1)
室温 23℃

ベンチマークの完走限界はHaswell系に近いが速い!

まずは、マルチスレッド性能を計測する定番2Dベンチマーク「CINEBENCH R15」の完走限界を求めた。テストは、ベースクロックを変更せずにCPU倍率とCPU電圧のみを可変するシンプルな手法で行った。

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今回試した個体の常温環境でのベンチマーク完走限界は4.9GHzだった。クロックだけ見ると、HaswellやDevil’s Canyonの良個体と同程度だが、スコアは1060cbという高スコアをマークしている。これは、Core™ i7-4770KやCore™ i7-4790Kの5GHz時のスコアよりも60ポイント程高いスコアだ。新アーキテクチャやDDR4メモリの恩恵か、Skylakeはクロックあたりのスコア効率がかなり高い。

5.0GHzにも挑戦したのだが、CPU電圧を昇圧するとベンチマーク中にCPU温度が90℃を超えてしまい、エラーが発生してベンチマークを完走できなかった。より高い動作クロックを目指すためには、冷却力の高い強力なCPUクーラーに換装する必要がありそうだ。

まだ確認できていないのだが、SkylakeではCPUとヒートスプレッダの熱輸送にグリスが使われれているという噂がある。グリスが使用されていた場合は、高クロックでのベンチマーク完走や常用を狙うには、Ivy BridgeやHaswellのように殻割してグリスを高性能な物に交換する必要があるのかもしれない。

MAXクロックにも挑戦!

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Windows上でユーティリティを使って、無負荷状態でCPUクロックがどこまで伸びるのかをテストすると、最終的に5.2GHzを突破する事に成功した。この時のCPU電圧はユーティリティ上で1.575Vまで昇圧させている。無負荷状態ではCPUへのダメージはないが、この状態で負荷を掛けると危険なので、良い子は真似したらダメ!

HaswellやDeavil’s Canyonの多くは電圧に対するクロックの伸びが悪い個体がほとんどだったが、Skylakeは電圧に対してリニアにクロックが伸びる印象を受けた。ただ、その分発熱も多いので、これまで以上に冷却力がOC結果を左右する事になるだろう。

今回のシミオシ(清水イチオシの略)

勝手に清水的イチオシ商品を紹介するコーナー。今回オススメするのはDDR4メモリと簡易水冷式のCPUクーラーだ。

Ripjaws5シリーズ DDR4 3200MHz 1.35Volt動作の4GB 2枚組、第6世代intelプロセッサ向けに開発された8GBデュアルチャンネル対応キット
取扱終了
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今回リリースされたRIPJAWS Vシリーズの中で最もコストパフォーマンスに優れるモデル。DDR4-3466の上位モデルが36,280円なのに対し、DDR4-3200の本製品は13,280円と半値以下。4GBモジュールの方がOC耐性が高いのでオススメだが、容量が必要な場合は8GB×2枚組の16GBキットを選ぶのもアリ。

280mmサイズのラジエータを搭載する簡易水冷キット。ラジエータの容量が大きい上に風量の多い14cmファンが使えるので、冷却力が高く長時間の負荷にも強い。OCしたSkylakeの発熱に対抗するためにはこのクラスの製品が欲しい。ちなみに僕は発熱の大きいCPUの検証には、本製品の旧モデルである「H110」を使用している。

(清水 貴裕)

アークスタッフより

以上、新製品発売による各所からの依頼殺到でお忙しい中、オーバークロッカーの清水さんに無理を言ってOCレビューを書いていただいた。 今後も不定期ではあるが、OC系のレビューやコツなどを配信して貰う予定なので是非チェックしてみてほしい。

関連製品

第6世代 Core i7プロセッサー アンロック版、エンスージアストモデル
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部材協力

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ライター

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清水 貴裕

世界的にも有名な日本人オーバークロッカー。液体窒素を用いた『極冷OC』を行い、世界記録を狙う。趣味は釣りとDrums。猫とラーメンをこよなく愛する好青年。2013/2014年のOC世界大会日本代表。
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