6年ぶりの名作、BenQ ZOWIEから光学スイッチ採用ゲーミングキーボード「CELERITAS II」- アークSTAFFレビュー
話題のBenQ ZOWIEのキーボード「CELERITAS II」が9月30日より販売開始。 早速アキバのPCゲーム専門店アークのスタッフM君が外箱の感想から開封、そしてゲームプレイを軸に使用感や注目点などをまとめてみた。
お詫びと訂正
光学式スイッチについてZOWIEの方にお尋ねした所、光学式スイッチはWOOTING社のスイッチでは無いとの事。 WOOTING社もZOWIEと同じ様に、他のメーカーから供給を受けているとのことでした。 しかしZOWIEはプロゲーマーの意見を参考にカスタマイズしている為、同じキーだが同じ仕様では無いとの事。
スイッチの仕組みも、ソフトウェアがあれば、押した深さによって、キーの反応を変えることが出来るそうだがドライバレス駆動のセレリタス2では、リセットポイントを押した深さによって変更する機能は無いとのことだそうです。
等該当箇所の確認不足、申し訳ございませんでした。
BenQ ZOWIE CELERITAS IIはハイエンドゲーミングキーボードとしての能力はあるのか
まいど、matsuiです。
ゲーミングマウスでは定評の高いZOWIEブランドから、キーボードとしては6年ぶりとなる話題の新作
BenQ ZOWIE CELERITAS II
が、いよいよ2017年9月30日(土)より販売を開始する。
注目度の高い本製品という事で今回は、発売日にあわせざっくりとだが使用感を中心にレビューしていく。
そもそもBenQ ZOWIE(以下ZOWIE)とは
ZOWIEは、近年プロ・アマ等を問わず様々なユーザーが愛用するゲーミングデバイスブランド。 特にゲーミングマウスに関しては内部スペックはそのままに、多様なニーズに合わせ形状、サイズを細かく変化させたバリエーションラインアップにより、手の小さい人から指の短い人まで自分にフィットするマウスが入手できる筆者お気に入りメーカーの一つ。
つぎに、外箱等の写真は先のArk Tech Newsにて紹介済みだが、再度おさらいも兼ねて紹介したい。
~外箱~
まず外箱をチェック、良くも悪くもこれぞ「ZOWIEの箱」といったデザインである。
もう少し具体的に記すと、ビジュアル重視のデザインで箱にはモデル名とキーボードのシルエットイメージ以外には何も記載されていない、ハイセンス系といった所だ。
~内容物~
開封後まず内容物をチェック、この時点での特筆点はZOWIEの新しい「ステッカー」が封入されていた事だ。 というのもBenQ統合後に購入したマウスには入っていたがCAMADE VITAL等にはシールが入っていなかった為キーボードには入ってるかどうか購入するまで分からなかった。
とはいえ以前付属していた時の「特大サイズステッカー」に比べるとかなり小さく、キーボード本体に貼ると丁度良さそうだ。
~本体~
早速、本体をチェック。 まず目についたのが全体のフレームにラバーの様な加工が施されている事、この加工部分の手触りはかなり良い。 サイドにはBenQマークが入っていた。
次にUSBコネクタ。 コネクタ部分が金メッキ加工されている。
そして裏面へ。 ここで気が付いたがこのキーボードには角度調整用のスタンドが実装されていない事。 普段キーボード裏のスタンドを利用し角度調整をしているユーザーは本製品では出来ないので留意してほしい。
ここでのポイントは最近のフレーム型(リストレスト無し、または着脱実装)タイプのソリッドな形状ではなく、リストレスト部分を含めたデザインなので奥行きが深く、卓上スペースを思ったよりも占有してしまう。
筆者のモニターとキーボードがかなり近いセッティングだったためキーボードを置き換えた際に干渉してしまった。 最終的にモニターの位置を少々奥に移動する事にり解決したが、そもそも筆者の左手の置き方はこのレスト部分に当たらないので個人的には正直邪魔であると感じた。
~キースイッチ~
いよいよ内部構造部分へ。 キーキャップを外してスイッチを見てみると、「Flaretech」の刻印があり、Wooting製のflaretech switchが使用されているのが確認できた。
今回採用されているキースイッチは以前のCELERITASの時のように今や定番の「ZF Electronics社」製の茶軸や赤軸といったスイッチではなく光学式スイッチと呼ばれるキースイッチが新たに採用されている。
ポイント
通常のメカニカルスイッチは金属製の板バネが接点となっており、板バネのオンオフで入力を検知するのだが、結果長期間使用していると板バネが劣化し一度しか入力していないのに勝手に連打していまう、いわゆる「チャタリング」が発生してしまうのだが、本製品に採用されている「光学スイッチ」は光センサーで押されたキーの位置を読み取る仕組み、つまり物理接点式ではないため定評の高いCherry社製スイッチと比べても耐久性が2倍近く向上している。
以下メーカーページ引用のZF Electronics社cherryメカニカルスイッチとの比較表になる。
~特徴と仕様~
前出の表を見たユーザーはお気付きかもしれないが、光学式のActuationPointが2~4㎜ ResetPointが2~4㎜となっている。 仕組みを簡単に説明するとキーを押して離したときには既にキーの入力が終わっているということになる。
本来メカニカルスイッチには二つの入力のオンオフを判別する部分があり例えばcherry赤軸であればActuationPointが2㎜ ResetPointが1.9㎜となっている。 理論上2㎜の部分で指を離せば0.1㎜で入力がオフになるので誤差の範囲外だがゲーム中など深く押し込んでいる場合押し込みの深さが4㎜の為1.9㎜のResetPointまで2.1㎜も距離がある。 なので深く押さないで、つねに入力する際は2㎜の所で指の位置をキープするのが理論上最高だが、恥ずかしながら筆者は意識してやっとできるレベルである。 ただ今回CELERITAS IIで採用している表から推測するに光学式の場合オンオフのポイントが一緒の為
キーの入力が入っていたと思ったら入力が終わっていた
筆者でも何を言ってるがわからないが、まさにポなんとか状態の様な仕組みだ。
詳しいユーザーならお気づきかも知れないが、入力の速さならROMAR-Gやcherry銀軸 Razer軸などActuationPointが短いキースイッチを採用しているモデルが入力の速度が実際物理的な意味でも速い。 つまりこのキーボードの特徴は、入力までの物理的速度は他の最速を謳うキーボードには劣るが、どんな押し込みの深さでも最短で入力がオフになるキーボードである。
筆者はFPSプレイがメインなので、最短でオフになることが他カテゴリーのゲームで、どの様な効果があるのか想像がつかないが、少なくとも主にプレイしているCS:GOの場合であれば、基本的に銃を発砲する際に移動中だった場合、進行方向のキーを離し進行方向と瞬間的に逆のキーを入れ、その場に静止する操作(ストッピング)が必要なのだが、CELERITAS IIだと理論上ストッピングアクションがより早くなると推測できる。
つまり移動中から止まって正確なAIMを実行するまでの時間が短縮されるのではないかという話だ。(あくまでも理論上だが)
ただこのスイッチ仕様通りかどうかは実際にZOWIE側がスペックを公表していないため、実際に製品に搭載されているスイッチが前出の表通りかは不明である。 実際WOOTING社が自社で出しているキーボードだと1.5~3.6㎜がActuationPointだったりなど、上で長く書いてしまったがメーカー側で調整できそうなのでZOWIE側で調整している場合 正直上で書いてあることもアテには出来ないし間違っている可能性もある。申し訳ない。
ほかの機能としてはRTR (Real Time Response,1x 2x 4x 8x) 機能(PS2接続時のみ対応)と100% N-Key Rolloverになる。
前作から引き継いでいるRTR (Real Time Response,1x 2x 4x 8x) 機能は少し試してみたが前作と変わらず特に気にするほどでも無いか…といった機能なので、オマケな機能だった。 Windows側でも同じ設定はできるが、もしかしたらハードウェア側から変更できるのは一部のユーザーから良いのかもしれない。 この機能はPS2接続のみの機能だが最近はPS2接続が使えないマザーボードが多いので、もしこの機能を目的に購入するユーザーは注意してほしい。
ちなみに100% N-Key Rolloverは特に問題なく動いた。
次は、いよいよ本製品を使ってゲームをプレイしてみる。
~使用感~
今回プレイしたゲームは以下になる。
PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS
CounterStrike GlobalOffensive
ゲームでの使用感だがPUBGではあまり効果を体感できなかったが、CSGOでは少し静止するまでの時間がかなり短いように感じた。 これは前出したキーの特性とかではなく55gというキーの重さによる跳ね返りの強さのお陰かもしれない。 ただいつもより静止するときにワンテンポ早くピタッと止まる感覚がある。多分ブラシーボだと思うが
ただ文字入力に関しては、実際に今回のレビューもCELERITAS IIで入力しているのだがブラシーボの可能性を考えても入力の際にすごくすうごいみたいに脳では離したつもりでも指は押しっぱなしになってしまう事が無くすごくすごいと何度入力しても同じような現象が起きにくくなっているので文字入力のミスがかなり減った。
筆者はCELERITAS IIを購入するまでDuckychannelのShine5赤軸を使用しており、個人的に赤軸キーボードを自作しない限りは、ゲームと文字入力のバランスを考慮した結果これが一番最高の赤軸キーボードだと思っている。 赤軸はかなり軽い部類で文字入力や跳ね返りが少し遅い様に気がするので、それまで黒軸を使用していたのだが黒軸は使い込まないと余りに重すぎてゲームしててすぐ疲れてしまう。 なので筆者自身本当に好きなのは2年位使い込みバネが劣化した黒軸が一番好みなのだ。 その劣化した黒軸にかなり近いのがこのCELERITAS IIになるので最初から良い意味で劣化した黒軸を使えるのは、かなり筆者的にはメリットが大きすぎるため予約してまで購入に至った経緯がある。
ただこれはタイピング速度が並以下の筆者の感想なので参考程度にしてほしい。
~総評~
「CELERITAS II」、一言でいうならばすごくすごいキーボードだ。
赤軸より重く黒軸よりも軽いキーを探しているユーザーは購入候補に入れてほしいキーボードである。 また、職場でキーボードを使うユーザーでもLEDを消灯できるのでLEDを消灯させてしまうとシックなキーボードになるので発行系キーボードが苦手なユーザーにもオススメではないかと感じた。
ただし、シンプルでドライバレス設計なので導入が容易に行える半面、ソフトウェアによる微調整(キーボードのポーリングレートやキーマッピング、バインドなど)を細かくカスタマイズは出来ないのでコダワリ派には正直向いていないという側面もある。
その他気になった事などを以下にまとめてみた。、
- ゲーム中の操作感はかなりキビキビとした操作ができるが今までのメカニカルや静電容量方式とは少し違った操作感になるので慣れが必要かと思われる。
- 個人的にはキーにかなが無ければ良かった。 理論上日本語を入力する際は、かな入力が最速といえども、ゲーマーでかな-
- 入力で入力してるユーザーは少なくとも筆者の周りでは皆無なので正直無駄である。
- 英字配列は勿論日本では今の所販売してないのでCELERITAS Ⅲを販売する際は是非ともかな無しにしてほしい。
ただその見かけ上の欠点を気にしなかったりキーキャップがcherryMX互換な為サードパーティのキーに入れ替えて使うユーザーにはゲーム用としても文字入力用としても とても使いやすいのでぜひ購入を検討してほしい。
ZOWIE(ゾーイ)について
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