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PCメモリー価格動向ピックアップレポート - 2015年7月第2週目版

2015年7月2週目のパソコン用メモリーの価格変動レポート。動向をパソコンSHOPアークのデータを元に注目情報や注目メモリーをピックアップ。不透明なインターネットDRAM相場情報とは異なり販売店のPCメモリーブランド、製品価格を軸にアークメモリー担当がなるべくフラットに情報をお伝えします。

ビュー: 4080
公開日: 2015-07-09

PCメモリー価格変動レポート

日々変化するPC用メモリーモジュール(メモリ)の製品価格、特に最近は数年ぶりの大幅価格変動となっており、毎週大小さまざまな幅の値動きをしています。

アークのメモリ担当として毎週の価格変化や情報分析を行なっておりますがこの情報をうまく還元できればとPCメモリーレポートを不定期で・・(需要(PV)があれば定期的に)行ってみたいと思います。

メモリー相場変動TOPIC

  • サンプリング日:2015/7/7
  • 前回更新(比較)日:2015/7/1

  • サンプリングアイテム数:7271アイテム(前回比+10アイテム)
  • 今週の値下がりアイテム数:982アイテム(前回比-344アイテム)
  • 今週の値上げリアイテム数:3アイテム(前回比-26アイテム)

  • 今週のアイテム総合平均値動き幅:-177円(前回平均-217円)

  • 今週の値下げアイテムの平均値下がり金額:-1370円(前回平均-1192円)

  • 今週の値上げアイテムの平均値上がり金額:349円(前回平均429円)

ポイント

総合平均値動き幅を見ると、先週の-217円から-177円と若干の落ち着きがでてきた。

DDR4は2週連続下げ、DDR3は上位モデルを除き下げ鈍化

6月後半から7月7日までの主な流れ

DDR4は2週続けて大きく価格を下げる展開となった、今回のDDR4の値下げの影響を受けたのはDDR3の2400MHzや2133MHzといったハイクロック(OC選別メモリ)カテゴリが大きくDDR3のスタンダード(1333MHzや1600MHz)クラスは横ばい、もしくは小幅な値下げとなった。

今週のメモリー総合変動幅TOP5

2015/7/7(火)の価格更新データより変動の大きいメモリーをピックアップ

総合 変動幅 TOP5

Brand Model 容量(構成) 税込売価 変動幅
1 Crucial CT4K32G4LFQ4213 128GB(32x4) 348000 -80000
2 Kingston HX428C14PBK8/64 64GB (8x8) 134260 -29230
3 Corsair CMK64GX4M8A2666C16 64GB (8x8) 99260 -10480
4 Corsair CMD32GX4M4A2800C16 32GB (8x4) 70450 -10230
5 G.Skill F4-2400C15Q2-64GRK 64GB (8x8) 81081 -8299

値下げ幅ではDDR4が独占、ただしDDR4は元値段が高く下がる余地が大きいだけでなく大容量モデルが多い事から値幅比較としては通例といえます。 DDR3/DDR3Lのトレンドラインはここ2週間程価格変動は鈍化していますがOC上位モデルは引き続き下落傾向です。

下落幅-8万円を記録したメモリはDDR4 LR DIMMなので参考外と考えて良い。

総合 変動率 TOP5

Brand Model 容量(構成) 税込売価 変動率
1 G.Skill F3-2800C12D-16GTXDG 16GB (8x2) 36780 -29%
2 G.Skill F3-2933C12D-8GTXDG 8GB (4x2) 22181 -25%
3 SanMax SMD-16G68CP-16KL-Q-BK 16GB (4x4) 18990 -17%
4 Kingston HX318C10FBK2/8 8GB (4x2) 7850 -17%
5 Corsair CMK16GX4M4B3200C15 16GB (4x4) 38510 -14%

値下げ率ではG.SkillのDDR3高クロック品が上位独占となっているが、これは元々がプレミア価格だったアイテムなので相場直結の値下げではなくメーカーの戦略的値下げと考えて良い。 3位のサンマックスは高値安定期に品切れた状態からの再入荷による下落幅なので参考外と考えてよい。

今週は下げ率の上位は、ほぼDDR4とDDR3のハイクロックOCメモリーの独占となった。

メーカー平均ではKingstonが下げ率No1となったがCorsair、G.Skillの1段上の価格設定からの後追いによる結果なので最安値を押し下げる事にはならなかった

価格は2015/7/8(水)現在のものとなります。


※売価、変動幅はJPY(円)

※変動幅は前回の価格変動からの値

※同シリーズのバリエーション違い、枚数違いなどは変動幅が近い為、除外

※不人気、販売実績、販売見込み無しなどのマイナーモデルも除外

売れ筋TOP3の変動幅から分析

DDR4 デスクトップ用

Brand Model 容量(構成) 変動幅 変動率
1 G.Skill F4-3000C15Q-16GRR 16GB (4x4) -700 -3%
2 Crucial CT4K8G4DFD8213 32GB (8x4) -2300 -6%
3 SanMax SMD4-U32G28M-21P-Q 32GB (8x4) -5200 -12%
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DDR4は人気商品においても全体的に値下がりを記録、ただし人気アイテムの値下げ率はDDR4平均値下げ率よりも低かった

赤色スプレッダタイプのRipjaws4 DDR4-3000 4GBx4枚組モデル、電圧は通常の1.2Voltに対して1.35Volt動作となります。Ripjaws4は専用スプレッダを搭載し通常速度から高速タイプまで幅広くラインナップされたジー・スキルのパフォーマンスシリーズです。
取扱終了
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DDR3/DDR3L デスクトップ用

Brand Model 容量(構成) 変動幅 変動率
1 Patriot PSD316G1600KH 16GB (8x2) -322 -3%
2 Corsair CMY16GX3M2A2400C11R 16GB (8x2) -760 -5%
3 SanMax SMD-16G28CP-16K-D 16GB (8x2) 0 0%
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デスクトップ用DDR3は上位選別、OCメモリーがDDR4により押し下げられたが、その他の人気、スタンダードモデルの値動きは少なかった。

上記グラフからもDDR4に比べて緩やかなのが判る。 人気アイテムの中ではCorsairのDDR-2400の値下がり5%が比較的大きい変動幅となった。

Vengeance Proは選別ICチップ搭載しアルマイト処理を施した特殊ヒートスプレッダを採用したintel 第3、第4世代 Core iプロセッサ対応メモリです。
取扱終了
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DDR3/DDR3L ノート用

Brand Model 容量(構成) 変動幅 変動率
1 Transcend JM1600KSN-8GK 8GB (4x2) 0 0%
2 SanMax SMD-N16G28CP-16KL-D 16GB (8x2) 0 0%
3 Silicon.P SP016GBSTU160N22 16GB (8x2) 0 0%

ノート用人気DDR3は値動きがなく安定、値下げを記録した同カテゴリのメモリーについても相場よりも割高の水準からの後追い的な要素での価格更新だったため比較的に今週はかなり価格が安定しているカテゴリとなった。

※ 売れ筋アイテム=アークオンラインストア+アーク店舗販売のスコア合計から算出

第3~6※世代intel Core iシリーズ対応モデル低電圧1.35Volt DDR3L-1600 Micron 4Gbit DRAM採用ノート用8GBモジュールx2枚組みセット。
取扱終了
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売れ筋の変動幅、変動率を見ると全体の変動幅、率に対して小幅に推移している事がわかる。

また売れ筋商品は全体平均と比較しても今週は下落が少なく、比較的落ち着いた推移となった。

2015年メモリー品質事情

DDR4は低価格=お買得の流れ、DDR3/DDR3Lは低価格品の品質に注意

DDR4はまだETT/UTTの比率が低く、マージン(メモリーの耐性)も高い事から特価品(低価格品)=お買得の図式が成立しているが、DDR3/DDR3Lは特価品(低価格品)=お買得とは限らない要素があるのでただそれなりに動いているっぽいメモリーではちょっと不安というユーザーは特価品(低価格品)を選ぶ際には目利きが必要になる。

もちろん特価品(低価格品)の中にも高品質なメモリーは沢山あるので色々現場でアイテムをみて比べてみるのも面白いかもしれない。

現状DRAMの品質が目視で確認でき、かつメジャーチップを100%採用しているのはアーク取扱いのメモリーメーカー30社からDRAMメーカー純正を除くとサンマックス1社となる。

B to Bなど多くの数量を取扱うケースでは上記のアドバンテージが評価されています。(週間ランキング参照)

今後の注目ポイント

ここまでのキーメーカー

2015値上半期のメモリー相場は基本的にCrucial(クルーシャル)、Corsair(コルセア)、G.Skill(ジー・スキル)が価格引き下げを牽引、その他ブランドが後追いといった展開となっていますが今週の変動においてもその3社の値下げ幅は大きく、注目のブランドと言えます。

これからのキーメーカー候補

この先もこの3社からは目が離せないのはもちろん、大手では今まで比較的価格が安定しているトランセンド。3年前の下げトレンドの時攻め系だったGeIL、A-DATA、U-MAX、シリコンパワーなど価格競争上等のブランドの動きもそろそろチェックを始めておきたい。

DDR4は16GBモジュール(8Gb DRAM)がキー

市場投入からまだ日の浅く、まだプレミア価格でほぼ店頭でも在庫はみかけないのDDR4 8Gbit DRAMですがこれが主力になると片面8GBモジュールが可能になりコストパフォーマンスなどのも期待が高まりますが、弱点としては8Gbit DRAMでは仕様的に4GBモジュールが作れないという問題があります。

世界市場は4GBモジュールがまだ主体、つまり8Gbit DRAMは4Gbit DRAMのポジションを完全リプレースする事が出来ない為、技術先行で8Gb DRAMを量産すると需給バランスが更に崩れてしまう可能性もある為、メーカーがどういった作り分け、製造比率、価格戦略で送り出してくるかが鍵になりそうです。

関連情報

TEXT: Ark Tech & Marketニュース 編集部 石井克朋

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