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オーバークロック向けに開発されたハイパフォーマンスグリス「Thermal Grizzly」に追加アイテム登場、ここまでの14ラインナップを比較、まとめてみた。

プロオーバークロッカーが推奨する極冷から空冷、ライトOCや通常使用まで高いパフォーマンスを長期間発揮するドイツから来た話題のサーマルグリスとサーマルパッド「Thermal Grizzly (サーマルグリズリー)」の特性や用途をまとめてご紹介。

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公開日: 2015-11-15

Thermal Grizzly (サーマルグリズリー)とは

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Thermal Grizzlyオーバークロッカー向けの熱伝導素材の開発も手がけるクマー↑↑がトレードマークドイツのメーカー

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同社はクーラーとCPUの間に塗布、または挟んで使用しより効率的な熱伝導を行なうちょっと地味だが重要なサーマルグリスとサーマルパッド(シート)、その中でもかなり高品質で特別能力の高い製品を開発、出荷している

が近年の低発熱化などでオーバースペックとなるこの製品は一部のOCユーザーを除き一般層からは遠ざかっていました。

しかしintel Skylakeプロセッサーの登場により再び冷却強化の必要性が出てきた事やプロオーバークロッカー清水氏の活躍でOCに興味を持つユーザーが増え注目を集めている熱伝導グリスなのです。

プロオーバークロッカーも推奨

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8月8日にパソコンSHOPアーク秋葉原店舗前(真夏の直射日光下)にて開催された清水氏の極冷イベントにおいても先行で同社グリスが使用され話題となった。

イベントや極冷、オーバークロック、清水氏については以下の関連記事をチェック。

という訳で2015年9月1日から国内正規代理店の親和産業より発売を開始した注目のドイツから来た熱伝導師(クマ?)「サーマルグリズリー」シリーズ、11月14日に追加された4製品をベースにシリーズ毎の特徴や目的を以下にまとめてみた。

初心者にも安心の扱い安さ「Aeronaut」シリーズ

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同社ハイエンドシリーズと比べると熱伝導率は劣るがサーマルグリズリー製グリスの能力の高さをしっかり実感でき、かつ価格もお手ごろなOC入門者、常用、ライトOCに最適な一品、容量で迷わない1ラインナップ展開。

  • 熱伝導率:8.5W/m・k
  • 粘度:110~160pas
  • 耐熱温度:-150℃~200℃
  • 塗布キット:専用アプリケーター付属
TG-A-015-R
税込価格: 1,408円
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実用OC動作PCに最適、シリコンを使わないグリス「Hydronaut」シリーズ

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「Hydronaut」シリーズ

熱伝導率は「Kryonaut」に比べ若干劣っているが耐熱温度は同等、粘度は増しており、長期的に硬化を防ぎ効果を持続してくれるオーバークロックチューン後の長期稼働に最適なシリーズ、OC状態で常用するならこれが良い。

  • 熱伝導率:11.8W/m・k
  • 粘度:140~190pas
  • 耐熱温度:-200℃~350℃
  • 塗布キット:専用アプリケーター付属 ※1gタイプはヘラとなっている。
TG-H-001-RS
税込価格: 880円
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マイナス200度まで凍らない極冷向け「Kryonaut」シリーズ

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ハイエンドオーバークロッカー達からの厳しいリクエストに応えるため、特別に開発された極冷に最適なサーマルグリス。 優れた熱伝導性能をマイナス200度の環境まで発揮してくれる今話題のプロオーバークロッカー「清水 貴裕」氏、推奨グリス。

  • 熱伝導率:12.5W/m・k
  • 粘度:120~170pas
  • 耐熱温度:-200℃~350℃
  • 塗布キット:専用アプリケーター付属 ※1gタイプのみヘラとなっている。
TG-K-030-R
税込価格: 4,400円
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厚み、サイズが選択可能、加工しやすく密着性の高い熱伝導シート「minus pad」シリーズ

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セラミックやシリコン、微粒子化された酸化アルミニウムで構成されシート(パッド)ながら長期的に硬化せず高い熱伝導率を実現しています。 2つのサイズと4つの厚み、計8製品からから目的に合わせ選択が出来る、カッターで簡単に加工が可能な使い勝手のよいサーマルパッドです。

  • 熱伝導率:8.0W/m・k
  • 使用温度範囲:-100℃~200℃
  • 厚み: 0.5mm、1mm、1.5mm、2mmの4タイプ
  • 面積: 120mm x 20mm 、100mm x 100mmの2タイプ

清水氏に塗り方を聞いてみた。

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清水氏にサーマルグリズリー社のグリスの塗布方法に関して聞いたところ

T-Grizzy社製のグリスは伸びが良いので、アプリケータ―で少し多めに塗布してから、クーラーを押し付けて伸ばすのが良かったです。ドライヤーを使ってスプレッダを加熱すればなおよしです。

との回答を得られた、具体的に清水氏の塗り方を手順にすると

  1. ドライヤーで加熱
  2. 無水エタノールを付けたティッシュなどで拭く
  3. 眼鏡拭きのクロスで仕上げる
  4. グリスを多めに塗布
  5. ヘラ、または付属のイージーアプリケータ―で伸ばす
  6. クーラーを載せてグリグリしてからネジ止め

となる、また行程1と6の捕捉として

ドライヤーで加熱するとグリスの伸びが良くなるので推奨しています。 最後のグリグリ作業は気泡を抜いて密着させるためです。

上記の説明を受けたが6は非導電性タイプだから出来る技とも言える、もし導電性タイプのグリスでこれを行なうとグリスがソケット周りに拡散してしまいマザーボードをショートさせてしまう原因となる危険があるからだ。

そういった意味でも非導電性タイプサーマルグリズリー製グリスは安心だ。

Thermal Grizzlyまとめ

製品/オススメ度 熱伝導率 極冷OC OC 水冷 空冷
Aeronaut 8.5W/m・k × ×
Hydronaut 11.8W/m・k
Kryonaut 12.5W/m・k
minus pad 8.0W/m・k ×

上の表に向き、不向きをまとめてみた。

ざっくり言ってしまうと大は小を兼ねる理屈の通り上位製品は通常使用においても効力を発揮するのでコストが見合うなら上位製品を選べば間違いがない、ただしグリスタイプは塗布の厚みや塗り方一つで効果が変わってしまうので、non-OCで常用PCならパッドタイプがお手軽で良いかもしれない。


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ライター

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編集部 アーク石井

パソコンSHOPアークにてPC用メモリーバイヤー兼、管理職も勤める。 スキーとギターをこよなく愛す。アキバ歴23年を活かしたショップ視点でのメモリー関連の記事を主に担当している。